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04会社案内の業種別作成方法
04会社案内の業種別作成方法
製造業
基盤は”ものづくり”の【CI】+【ブランディング】
製造業の会社案内と言えば、代表者の挨拶、事業内容、製品概要、生産設備情報、会社概要<会社情報・沿革・組織図等>が一般的。少し踏み込んで企業理念・哲学、ビジネスモデル、事業の特徴、部門・組織紹介等でしょうか。それらのほとんどがファクト情報と言えます。だからといって、それ以上企業を深く掘り下げ、広範囲に言及してもその閲覧・配布者に届く範囲は限定的です。企業の本質を表す要素としての、企業理念やCIはすぐに表せるとしても、ブランディングという無形で非定形の経営資産を表すのはなかなか至難の技です。
やはり製造業・メーカーですので、自社のモノづくりの原点や理念を語り、その製品を切り口に企業ブランディングを語りたいものです。むしろそうあるべきでしょう。
大企業の場合、投資家への企業情報提供、法人営業、採用、展示会などと多目的に使用することが多く、企業の規模相応のボリューム感がありますが、中堅・小規模企業の場合、目的をある程度絞り込み、製品情報・生産設備・拠点情報にウエイトを置き、BtoB商談・法人営業に直結できる要件から、コンパクトに8ページ~12ページ程度で機動力を備える会社案内が主流とも言えます。しかしながら、その場合でもやはりモノづくりスピリット、プロダクトブランドは、きちんと会社案内の基盤としたいものです。
建設業
大手ゼネコン・中堅建設会社
建造物・構造物をゼロから造り上げる、或いはその一部に関与する仕事のため、前述製造業に似た側面があります。ゼネコンや中堅建設会社の会社案内の用途は、官公庁及び民間施主への商談、社員採用活動、ステークホルダーへの広報的な使用が多く、建設マンとして地図に載る仕事の価値や、ランドマーク級の施工実績、また社会のインフラづくりで様々な経済活動・社会活動に大きく貢献する存在感、いずれも彼らの誇りとするところであり、これらを各々の企業理念と独自性・差別性あるコーポレートブランドとして、会社案内のコンテンツ・デザインに仕立てていきます。
中小建設会社・電設会社
一方、業界はこれらの一部のゼネコンと無数の協力業者の二重構造によって成り立っていますが、独自の技術や工法を売りにしている元気な土木や建築会社は、取引先の拡張や販路拡大を目指した営業活動に、この会社案内・事業パンフレットを必要とすることが多く、その場合、特徴や差別性をコンパクトに、視覚的要素を多く取り混ぜたデザイン性やページ構成にすると効果的です。さらに公共工事・民間工事共に元受けとして新規取引を目指す場合、信用性は極めて優先度の高いファクターで、それをしっかり下支えする会社案内の存在は大きいと言えます。
ただあれもこれも、ウリウリにするだけでは、相手に信頼感や期待感までは醸成できません。この機会にガテン魂をブランディングしてみませんか?十分一考の価値があると思われます。
住宅建築
独自の建材、個性的な施工方法をウリとする住宅建築会社の事業案内的会社案内、というよりはパンフレットやカタログのイメージが強い、個人をターゲットとするBtoC向け媒体です。この場合デザイナーズとか、重厚感というよりは、一例を挙げると、全体の色調を明るくアイボリーホワイトを基調とし、緑や茶色を活かすカラーリング、またオーガニックなアースカラーを基調とした色彩のデザイン・コンテンツ等、売りとする技術や素材を強く出すより、やや非日常のインテリア空間を想定させ、未来の我が家をイメージさせる、といったハウジングデザインの会社案内といった建付けです。
士業・法律事務所
脱・金太郎アメの会社案内?
法律事務所・監査法人をはじめ、特許・税理士・司法書士等の士業事務所の営業・広報用の会社案内(法人案内)です。ここ数年で広告の表現方法や導入手法で規制緩和がなされたものの、遵法・公正性が伴う業種ですので、現状でも一定の制約を伴っています。
士業事務所は資格制度の中、高度な法的専門性を要求され、社会的・公益的にも影響度があるため、業務遂行には遵法精神の下、規則や法律で強い拘束を受けます。従って個性や創造性とは縁遠さがあるのも確かで、会社案内(法人案内)のコンテンツは規定に沿った業務内容になってしまう傾向があります。しかしこれでは特長や個性の薄い会社案内、法人案内のパンフレットになってしまいがちです。
規制内だからと言ってオーバーな表現や奇を衒う言及は、士業の品格を損ね、最も重要であるユーザーの信頼を損ねることになりかねません。士業としての矜持や秩序を保ち、公正・コンプライアンスのメッセージを伝えながら、いかにその法人の持つ特長や個性を巧みに表現し、ユーザーに理解と共感を与えるかが、重要なポイントとなります。
ちょっとしたアイデアで個性と創造性を持つ
しかしながら少々目線をかえるだけで特徴や個性を引出し、会社案内(法人案内)を魅力ある広報媒体に変えることができます。
例えばほんの一例ですが、「地域に根ざす士業事務所で、顧問先との関係性がすこぶる良好」⇒「顧問先の社長に登場いただき、その士業事務所についてインタビューし、語っていただく」。なかなかこのような士業案内はお目にかからないと思います。ちょっとしたアイデアですが、もう立派なブランディングと言えます。抽象的で情緒的なPR表現ではなく、きちんとウラがとられたファクト情報です。とは言え、規定業務内容を羅列した無機質ファクトではなく、人がコミュニケーションを介し、コンタクトポイントを創造したという典型例でしょう。
物流・商社
商社
商社といっても総合商社から中堅商社・専門商社まで幅広く存在しますが、大小はともかくとして、総合商社はその特徴を出しにくい側面があります。あまりにもその取扱い範囲の幅広さから、総花的事業としてブランディングしづらい業種であるとも言えます。
その意味からも、取扱い領域の広さや、グローバルなネットワークだけでなく、例えばですが、創業者の生業にまで遡ってみることや、オモテに出ていない企業ヒストリーのエピソードなど、企業のルーツを見直すには絶好のネタが存在するかもしれません。
大手総合商社の会社案内は、商談・展示会・採用・広報と多目的に利用する機会が多いと思われますが、その中でも採用目的の場合、これらのネタが新卒学生には非常に興味を示すコンテンツだと言えます。その企業成長のマイルストーンや、未来への事業ビジョンを語るコンテンツがあれば、その企業をAtoZで知ることになり、極めて価値あるものとなるでしょう。
物流会社
会社案内のコンテンツとして、ロジスティクス《情報・システム・データ帳票・倉庫管理・一括配送》をモノだけで語るのは、もはや必ずしも大きな特徴とは言えない時代になってきたと言えます。むしろ運用するオペレーション業務=コトの重要性に鑑み、その品質の高さ、量的処理能力、配送の機動力などにウエイトシフトしたコンテンツづくりが重要と考えます。
競合比較で特に差別性の高い専門性があるなど、他社と明確にその違いが発揮できる要素があれば別ですが、物流・配送のハード面だけでは”One of Them”の見え方に陥ってしまうことだけは避けなければなりません。
また昨今の、ドライバーや作業員の採用確保に苦戦を強いられている環境では、会社案内で企業のブランドイメージを高めるコンテンツや、社員が活躍・成長するシーンにも言及したいものです。
コンサルティング会社
可視化しにくいだけに誠実さが大切
経営、製品開発、金融、不動産、商業・飲食、人材...、また弊社が関連する業界の広告・Webコンサルもその範疇に入ってきます。製造業や建設業と異なり、結果や成果物の実態が見える化できないため、この業界では会社案内等の広報媒体で、自社の表現や打出しをどのように行うか、永遠の課題とも言える所以です。
もちろん輝かしい実績を列挙することは重要で、Before-Afterにて「顧客の課題-分析・提案-解決・達成」の図式で掲載できればキラーコンテンツになりますが、クライアント個別の社外秘ケースがほとんどでしょうから、かなり制限されることが多いようです。
そこで重要になってくるのがブランディングです。
単に抽象的で情緒的な表現は全くと言っていいほど意味を成しません。例えば「優れたナレッジが、企業の課題をパーフェクトにソリューション。」「丁寧な課題抽出と深い分析力が、御社の夢を実現。」などといった一方的PRコピーや、どこにでも存在する総花的メッセージは全く効果はありません。むしろ何か胡散臭ささえ感じさせてしまいます。
背伸びしたり、大きく見せるより、誠実に、それでいて相手に、なるほど!と思わせる表現手法が、逆に効果的とも言えます。
ではどのように、なるほど!と言わせるのでしょう?
特徴をダイナミックに置き換えてみる
ジャストアイデアですが、少々目線を変えた切り口で表現を置き換えてみましょう。
例えば、自社のウリが「200以上のプロジェクトを成功に導いてきた、5名の優秀なコンサル陣」⇒「Success200」をキーワードに会社案内誌面を構成。5人のコンサル一人ひとりにフォーカスし、一人1枚のリーフレットにその実績と人物を詳細に紹介する、というもの。
次に、自社のコンサルティングの在り方が、「二歩進んで一歩後退する。後退の際の問題解決には振り出しに戻ることもいとわず、この取組みが結果的にダイナミックな右肩上がりの成果をもたらす。」⇒このコンサルプロセスを歴史的偉業に例え、「進化=ダーウィン、トライアンドエラー=ライト兄弟、劇的な転換=コペルニクス」といったようなストーリーで会社案内のコンテンツを構成する。実はこれらのことは既に立派なブランディングの体をなしていると言えます。
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