05パンフレットのデザイン性
パンフレットのデザインモチーフ
パンフレットを最も認識され、識別される要素として、図版・写真・色彩・文字等のデザインの視覚的要素が最も大きいと言えます。識別という点ではブランディングの原点とも言えますが、そのパンフレットデザインの品質がその中身の製品やサービスの品質を決定してしまう、といっても過言でないほど、デザイン要素は重要性を持ちます。
会社案内や企業案内とは異なり、パンフレットは様々な要件に、より直接的効果を期待する媒体であり、その表現方法も比較的直接的であると言えます。とは言え、それがあまりにもウリウリだったり、過剰にオーバーな表現だと、プロダクトブランドやサービスブランドを損ねることになります。
その軸となるはバランスの良いブランディングデザインであり、そのデザインモチーフはある種パンフレットの価値を表すものと言えます。次項以降でデザインモチーフに適した要素を紹介します。
製品モチーフのデザイン
直接的なデザイン表現として製品をダイレクトに、或いは特徴的な一部をイメージカット風にレイアウトします。表紙で用いることが最も効果的ですが、製品イメージカットとして用いる場合は、本文各ページでのレイアウトも非常に効果的です。
サービスがモチーフのデザイン
業内容・サービス内容をダイレクトにデザインモチーフに用いたケースです。製品として形になるものが無い、事業やサービスそのものですので、事業推進の場面や事業で得られるアウトプットなどをモチーフに、デザイン化するものです。
ロゴ・ブランディングがモチーフのデザイン
プロダクトブランドやサービスブランドをモチーフに、パンフレットのデザインスタイルに反映させたケースです。企業ブランディングのシンボルそのものを用いることも効果的で、いずれも製品・サービスのアイデンティティを熱く表現でき、ブランド価値の誇りさえ感じてしまう力があります。
素朴なイラストやエコロジーがモチーフのデザイン
素朴なイラストやオーガニックデザインは特に昨今の風潮やトレンドではありません。企業が成長を度外視する事業戦略や風潮にとらわれた形だけの企業イメージづくりは何の意味も成しません。ただ人間の本能としてエコロジーやオーガニックさは、感性や情緒に訴える力は十分に高いと言えます。
メッセージがモチーフのデザイン
パンフレットの表紙にて、キャッチコピー、コンセプトワードやそれらのタイポグラフィによる表現をモチーフにしたデザインです。発信力の強いメッセージ、語りかけ風の言葉、ダイナミックなタイポグラフィなど、文字や文章そのものがデザインの中核をなし、ユーザーには表紙から、提供する事業や製品・サービスを、感性で伝えそこで気付きにつなげていく、言葉による力を活かしたデザインです。
効果イメージがモチーフのデザイン
当該の製品やサービスを導入・活用することにより、もたらされる効果やアウトプットイメージをビジュアル化して、ユーザーに製品やサービスについての興味を喚起するものです。表紙にはその製品やサービスの写真やイメージは存在しないため、ユーザーは想像力を膨らませ期待感を抱く、といったデザインモチーフになります。