01【はじめに】当コンテンツの全体構成
ここでは、製造業の営業向け・広報向けとして、紙媒体・Web・動画等、媒体を超えて、営業ツール、広報ツールの作り方を解説していきます。
まずは前段で製造業の営業・広報ツールの概要を説明したあと、
- 広報ツールとしての【会社案内】
- 営業ツールとしての【会社案内】
に詳しく言及します。次に、
- 営業・商談ツールの【パンフレット】
- 営業・販促ツールの【カタログ】
- 集客ツールの【Web】
- 商談・イベントツールの【動画】
の順序で、それらの合目的なコンテンツづくりのポイント解説を行なっていきます。
02業種・業態・事業形態で異なる製造業
一言で製造業と言っても多種多様
製造業の営業や広報ツールづくりと言っても、まず冒頭で押さえておきたい大事な側面があります。製造業、メーカーと一括りにしても様々な業種・業態、事業形態があります。
これを大雑把に分類すると、
1)製品化された一般製品製造/家電、自動車、建設機械、食料品、衣料品、装飾品、化粧品等
2)製品化された業務用製品製造/半導体、重電・エレクトロニクス、工作機械、設備機器等
3)素材・半製品製造/鉄鋼、化学、金属、製紙、アパレル、食品素材等
4)原料・原材料製造/パルプ、製鉄、石油、セメント、化学等
5)EMS・OEM受託生産/各種
それだけにこの分類を踏まえ、広報ツール・営業ツールとして最適化する必要があります。
さらに個別の属性として、業界マーケット事情、ユーザー・ターゲット設定、使用シーン、競合状況...などにより、ツールづくりは大きく異なります。
それはなぜか?次項に続きます。
見えにくい製品・ニッチな製品を可視化
製造大手企業と言えども業務用製品や素材・原材料製品、OEMなどの製造業では、製品としての存在が見えにくいため、どのようなツール制作のコンセプト設計とするのか?
実はこのタイプのメーカーの方々から、「自社の存在感や製品の付加価値を何とか見える化してほしい。」とご相談を受けることは珍しいことではありません。特に採用活動における就活生に対し、また株主・投資家に対して企業理解を促したい課題がある場合、ほぼ異口同音の要望です。
一方でBtoB取引において、ユーザーが関連業界の技術者や開発者だったりする場合、むしろ必要以上の咀嚼は不要で、ある意味共通言語の方がより理解や共感を得やすい、といった側面があるのも事実でしょう。
とは言え自社の製品や事業をユーザーに深く理解させ、強く印象付けするための広報・商用ツールですので、ファクトだけではなく、また顕在情報だけはでない、様々な視点の表現方法があり、時にシリアスに、時に遊び心を以って、時にサプライズ...などと、広告的なクリエイティブ性も重要な要件となります。
03製造業の広報・営業ツールの概要
広報・営業の両面で活かす【会社案内・Web・動画】
製造業、メーカーで活用する広報ツール・営業ツールは、一般的な媒体として主に【会社案内】、【製品パンフレット】、【製品カタログ】、【Web】、【動画】等が挙げられます。
その中でまず広報ツールとしての代表格が会社案内です。コーポレートWebサイト、企業動画もその性質から広報機能の強い媒体と言えます。
この会社案内を営業活動向けとしてチューニングすることで、商用戦力化することも後述しますが、非常に合理的な選択肢となります。
製造業のコーポレートサイトも商用機能色を高めることにより、広報特化型から広報・商用ハイブリッド型の運用を可能とする、むしろ後者が主流かもしれません。企業動画も同様のことと言えます。
営業特化の【製品パンフレット・製品カタログ・専門サイト】
次に製造業の商用・営業ツールとしての指向性が強いのは、製品パンフレット、製品カタログです。またコーポレートサイトから分離・独立させて運用する、製品専門サイトや製品動画なども商用特化のツールとしての色合いが強いものです。
もちろん製造業全般に言えることは、製品単価や導入コストが高額となり、そのほとんどがBtoBの企業間取引のため、製品カタログや商用専門サイトと言えども、媒体そのものでユーザーの購入・導入の意思決定になることは皆無で、ユーザーの購入や検討動機を促す、あくまでもツールであり、そこには必ず営業パーソンの商談プロセスが介在することとなり、ユーザーサイドでは社内決済を経ることはほぼ必須要件です。
また一方、この製品パンフレット・カタログで陥りやすいのが製造業特有の製品機能やファクトに終始することです。製品のファクト・スペック情報一辺倒となり、無形の資産と言われるプロダクトブランド、製品ブランディングが欠け落ちてしまうことが、特に競争力の高い製品を誇る製品を保有する企業に多いということです。
このことも詳しく後述したいと思います。
集客ツールとしての【Web】
広報・商用ハイブリッドのコーポレートサイトや商用専門サイトは、特に商用においてSEOやWeb広告等の展開で、ユーザーやリード(見込み客)にリーチするための集客ツールとして効力を発揮できます。しかしながら前述の通り、BtoBの高額製品であること、また企業の決済プロセスは社内稟申プロセスを要することなどから、Web自体単独でことを起こせることはほとんど無く、Web反響・問合せ後はやはり営業パーソンによる営業アプローチに連携されることとなり、そこで営業パーソンが商談活動で受注に向け会社案内・製品パンレット・製品カタログを商用ツールとして活かしていくこととなります。
以降で製造業の会社案内・パンフレット・カタログを中心として、Web・動画までも含め、様々なビジネスシーンでの活用方法を多面的に言及していきます。
04【会社案内】製造業の広報機能・営業機能
【広報ツール】の会社案内
企業の信頼性を担保する公式媒体
この会社案内としての広報機能は一言で言えば、製造業としての公式な企業情報であり、この構成要素は、企業概要を中心に企業理念・成長戦略、事業内容・ビジネスモデル、製品情報、代表者メッセージ、沿革、組織、取引先、資格・認定情報(各種認可・ISO・HACCAP等)、さらに上場企業の場合、CSR、環境の取組み、IR系情報(専門IR系情報は別途専門冊子に委ねる)等の情報です。
以上で気づかれると思いますが、相対的な価値を訴えるブランディングと言うよりは、CI(コーポレート・アイデンティティ)要素が主体になるとも言え、広報ツールとしてはその企業の本質や絶対価値に触れる情報が主体となることがわかります。
ただしその中で「製品情報」は、製造業たる固有の情報であり、製品開発コンセプトや市場における製品の強み、差別性・優位性にまで言及すること、これは「プロダクトブランド」というブランディングの要素だと言えます。
つまりこの広報機能の会社案内は、CIとブランディングの両要素を兼ね備える、まさに王道を行く企業のオフィシャルな広報ツールたる所以です。
それだけに、後述する製造業のメーカー間、対サービス業との間の企業間取引等のビジネスにおいて、オフィシャルの充実やクオリティはその信用性、信頼性を担保する裏付けともなり、製品単価や取引額が大きな製造業では、社内決済の重要なファクターの一つ、つまり信用性、もっと言えば広義の意味での与信要因の一つになると断言できるものです。
製造業の会社案内は、その重要性や存在価値を再認識すべきでしょう。
素材製品や受託製造業の広報展開
一般に馴染みのない製品や、成果物がPRできない原料・半製品など、 いかに優れた製品でも、魅力を的確に伝えるのはなかなか難しいものです。
受託製造業も最終製品化された製品紹介どころか、受託先企業の公表も控えなければならないこともあり、陥りがちなのが、生産拠点、工場の生産設備紹介、一般論の開発・技術面紹介等の機能やファクト情報中心となってしまっていることです。もちろん業界関係者や専門のエンジニアであれば、それが共通言語として評価はできるのでしょうが、肝心の製造業としての製品ラインナップを全面に押し出すことがなかなか困難なことでしょう。
とは言え、広報媒体としての役目から、関係者だけでなく他業界者、投資家、金融機関、官公庁、求職者等様々なステークホルダーに事業をよく理解させる必要があります。
そこでやはり前項「見えにくい製品・ニッチな製品を可視化」でも言及しましたが、見えにくい価値観や強みをブランド化し、一つ高い次元でビジュアル表現する、広告的なキャッチコピーや、ユーザーがイメージしやすいメッセージでアウトラインを理解させる、等々、実はここのところが、弊社などのクリエイティブ会社の腕の見せ所と言えます。
採用活動にも活かせる広報ツール
メーカーにおいて人材採用は社運を賭けるほど重要な活動で、広報活動の重要なテーマです。この採用活動のツールとしては、採用パンフレット、採用サイト、採用動画、合説ブース等がありますが、これに会社案内を組合せ登板させることは、各採用ツールとは非常に親和性が高く、就活生の企業理解をより深める効果があります。
この採用に活かす会社案内のパターンとして、2点ほど紹介をしておきます。
完全にプレーンな会社案内とするケース、この場合は採用パンフレットとの抱き合わせで大きな効果が期待できます。
次に会社案内のコンテンツの一部に採用関連情報を含める採用ハイブリッドタイプ。この場合採用パンフレットは使用しないケースが多いようです。企業のオフィシャル情報と採用情報が一体化しているため、合同説明会では多数社のブースを回る学生には、訪問各社の採用ツールを絞りこむ場合に便利です。
しかしながらメーカーの場合は生産部門、開発部門、技術部門、営業職、管理部門と多岐にわたり、多様な適正を持った人材を確保する必要があるため、やはり採用特化させるツールが業種的な側面から適正が高いと言えます。
広報機能に【法人営業・BtoB機能】を加えた会社案内
営業ツール化する製造業の会社案内
前述広報専用としての位置付けの会社案内を、営業活動や商談用にチューニングする、いわゆる営業用会社案内は、製造業の中の業種によって、或いは商談スタイルによっては大変効果的です。
後述する製品情報が網羅されたカタログやパンフレットは商談の核となるツールであることには変わりありませんが、商談の前段で紹介・説明する企業の事業内容をはじめ、製品ポリシー、生産設備など、商談相手のユーザーが求めるインフラ的包括情報は、製造業の新規商談の場合、非常に重要な要素となります。
商用化の会社案内とは言え、会社案内たる企業の基本情報はきちんと網羅されている、というのは言うまでもありません。
企業広報・ブランディングが与信の要
検討段階の企業選定、また商談が進行し社内稟申段階で、担当役員、代表者等経営層は導入でどんな効果があるの?どんな改善ができるの?コストは?の次に、「じゃあその企業は?」、ほぼ間違いなくそこが関心事であり、その経過を辿ります。
そこで稟議書に添付された会社案内が登場するわけで、そこで機能する有用性高い会社案内が必要です。つまりここが前述した広義の与信情報を提供する媒体・ツールたる所以です。
ここで与信を獲得させる必要な経営層への情報は例えば、
企業情報、導入実績、代表者のメッセージ等の企業基本情報に加え、
独自のビジネスモデル、製品開発ポリシー、プロダクトブランド、生産体制、企業理念等、企業ブランディングやプロダクトブランド、またCI由来の情報です。
一言で言えば、企業や製品の強み、差別性、優位性等の『無形の資産』を簡潔に語ることです。
この表現方法は様々ですが、キャッチコピー、タグライン、コーポレートメッセージ、デザインやキービジュアル、カラーコンセプト等が挙げられます。
ここまでを視野に据えた会社案内は、製造業の企業間取引・ビジネスシーンで大変有用性が高いと言え、まさに『ブランディングツール』『CIツール』の代表格です。
もちろん商用化された会社案内とは言え、製品に関する詳細情報はパンフレットやカタログに譲るものです。
エンドユーザーの女性の美を追求する同社様の「研究開発」「生産体制」を活かした化粧品のOEM受託生産。この受託の拡大を目的とした法人営業活動に、同社営業パーソンがこの会社案内を営業ツールとして活かす。BtoC通販・店舗販売の化粧品メーカーが、業務用0EMのBtoB取引を展開するツールとして、非常にビジネスライクな会社案内となっている。
つまり一般消費材の化粧品ブランドメーカーだが、優れた開発・生産体制でOEM受託生産までも事業展開する、その信頼性や与信をこの会社案内で明確に裏付けるもの。
パンフレット・カタログと会社案内の使い分け
ここでは会社案内とパンフレットやカタログとの使い分け、役割の棲み分けについて少々触れておきたいと思います。
まず会社案内です。不動・普遍の企業メディアそのものですので、それは会社案内が企業ブランディングとCIを核とする信用・信頼の証。
一方パンフレット・カタログがその企業の事業に直結し、商取引を強く支える媒体。
つまり営業活動の結果に直接作用する『パンフレット・カタログ』、その企業や製品の信頼・信用を担保するのが『会社案内』だと言えます。
製造業の場合、特にこの棲み分け定義は明確に持っておく必要があります。
05【パンフレット・カタログ】製造業の営業ツール
パンフレットとカタログの違い
製造業、メーカーにおいて製品パンフレット、製品カタログは営業部門の売上、もっと言えば企業業績にも直結するといっても過言ではないほど、営業ツールとしてのプライオリティが高いものです。
このパンフレット、カタログの出来、不出来が営業活動に影響を及ぼす、またこの使い分けも同様のことが言え、ここに深く言及していきたいと思います。
その前にこれら製造業のパンフレットとカタログについて、区別を明確に持っておく必要があります。
結論から言えば、取扱い全製品、もしくはカテゴリー全製品を網羅的に掲載された媒体がカタログ、そこから1品目〜数品目をピックアップし、より詳細な製品情報、関連情報を掲載した媒体がパンフレットです。かなりアバウトな区分ですが、ここではそれらの違いの詳説は避けます。詳しくは当サイトBLOG「パンフレットとカタログの違い」をご参照ください。
法人営業・商談の機会
製造業、メーカーにおいて新規での営業機会は新たな取引を創出する願っても無い機会。売上を維持し拡大していく大きな原動力になります。
ここでは製品パンフレット・製品カタログを営業的、商用的にどのような機会でどう活かすのか?
Web集客、展示会、資料請求、Web広告、新聞・業界誌広告、DM広告、顧客紹介、等様々ありますが、2〜3取り上げて簡潔に述べてみます。
検索Web誘導の営業機会
Webはコーポレートサイトか商用専門サイトで運用するのが一般的で、Web検索を活用したターゲットユーザーの集客策です。詳細は後述の「4.【Web活用】製造業の集客・営業機会創出」に譲りますが、Webを介した問合せに対し、実行部隊の営業パーソンに引き継がれます。この営業活動の際に製品パンフレット、製品カタログ、また会社案内を商談ツールとして活用します。
一概には言えませんが、新規顧客獲得の機会として、近年では最も合理的な機会創出の方法でしょう。むしろ企業間取引にWebを利用しない手は無い、と言えるほどです。
これも後述しますが、Webに動画の活用、BLOG、Facebook等のSNSも、意外とメーカーのBtoB取引においても、昨今では有効な施策の一つです。
展示会
展示会等のイベントに出展する場合、二段階で営業・商談の機会があると言え、度々出展されている企業では当然周知のことですが、その際に使用するツールのあり方を説明します。
自社ブースに訪問されたユーザーには、立ち話の短時間で簡潔に理解させるための、即効性あるツールが必要です。製品であれば1品〜数品のリーフレットが先陣の突破口を担います。少なくともここで分厚い総合カタログ、というのは相手も持ち帰りに困ります。
また事業全容を説明したい場合でも、二つ折り4ページ程度の”ワンポイント”の事業パンフレットが有効です。もし商談コーナーまで誘導できれば、ここで初めて総合カタログ、会社案内の出番でしょう。
また展示会終了後、商談を次に繋げることができた場合は、レギュラーの製品カタログ、製品パンフレット、会社案内が堂々の登場となります。
純広告での営業機会
雑誌、業界誌、新聞等の広告、また交通広告やTV広告まで含む媒体に広告を出稿し、問合せや商談申込み、資料請求等の反響を獲得するプロセスです。
また数歩進んでそこから自社のオウンドメディア(企業Webや専用サイト、必要に応じLP)に誘導し、純広告だけでは伝えきれない情報を、Webへ誘導して情報をふんだんに提供しようというもの。
むしろこの純広告から直接反響をとるより、一旦オウンドメディアへ誘導・経由させ、Webを介したコミュニケーションを展開しようという、「クロスメディア」展開です。実はこの手法はユーザーの製品・企業理解をより促し、かえってユーザーのリードへの見込み度は高まるものと考えます。
具体的なオウンドメディアへの誘導方法としては、広告へのURL表記だけでなく、「つづきはWebで」の「検索ワード表記」、またモバイルメディアでのQRコード表記でのサイト誘導です。もちろんこの場合、モバイルサイトのレスポンシブ対応をしておく必要があります。
パンフレット【営業・商談】
製品パンフレットの要件
ではここで本題の営業・商用向け、パンフレット・カタログに言及していきたいと思いますが、まず製品パンフレットからご説明します。
前述「パンフレットとカタログの違い」でも説明した通り、パンフレットは1品、乃至は少品種の製品情報を詳しく掘り下げたコンテンツで構成した媒体です。
それは総合カタログでは諸元・仕様データ、スペック情報等、定型的・網羅的特徴などに留まった製品情報のため、掲載できなかった、また言及できなかった、専門的且つ競合他社に無い独自性の高い特徴にフォーカスし、カタログに比較するとコンパクトで機動力を持つ媒体です。
製品情報はプロダクトブランドの要
この製品情報はパンフレットのメインコンテンツですが、営業用、商談ツールとは言え、単なるウリウリの打ち出しだけでは、残念ながら効果は限定的です。
さらに陥りやすいのが製品スペック、機能情報のみに終始したコンテンツ。これは製品というモノを題材にしたパンフレットだけに当然と言えば当然ですが、それだけでは競合他社、同系製品との差別性・独自性は発揮できません。もちろん機密情報、秘匿性の高い情報は別として、ファクトと機能だけでは製品の魅力や価値を伝えることは限定的です。
実は製品力の高い優れたプロダクトを持っている企業ほど、この状況になりやすい傾向があります。
もっと製品の持つ価値や優位性をプロダクトブランド(製品ブランディング)を表現し、で語ること、少々専門的になりますが、ユーザーの心理に作用し、無形の資産を形成させること。
つまりユーザーに「おっ、何かいい感じ。」「期待できそう。」「もっと知ってみたい。」という好意的な感情を持たせる考え方です。
言い換えると「機能美」という言葉がありますが、広義で言えば「優れた機能を美しく表現する」と言い変えれないでしょうか?
また当該製品の独自性、付加価値、優位性を巧みなコピーやデザインで表現するもの、
まさにこのことでプロダクトブランドの製品パンフレットと言え、法人営業、商談ツールとしての役割をなすものです。
以下の表は、「機能重視」と「ブランディング重視」と単純比較にはなりますが、コンテンツの違い、クリエイティブの違いを表にまとめて見ました。
【コンテンツ比較】
機能重視 【標準的・網羅的・ファクト】 |
ブランディング重視 【差別的・情緒的・独自性】 |
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情報項目 |
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【クリエイティブ比較】
機能重視 【標準的・網羅的・ファクト】 |
ブランディング重視 【差別的・情緒的・独自性】 |
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製品名 |
型番表示 |
固有のブランド名+型番表示 |
製品名表記 |
汎用フォント |
ロゴタイプ(作成文字) |
クリエイティブ全般 |
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新・旧の製品パンフレット比較【橋永金属株式会社 様|製品パンフレット】
ブランドコンセプトを投入することを目的に、弊社にて携わった旧作の製品パンフレットのリメイクにあたった。新・旧比較でその違いがわかる。まさに新パンフレットでは魂が吹き込まれたと言っても過言ではない。
また社名ロゴ、製品ロゴは弊社にて全面刷新をし、これを以下の新旧のパンフレットに反映し、新旧比較対象したが、よく前後の違いを見て取れると思う。
左の旧パンフレットと右の新パンフレットではその違いは一目瞭然。製品名ロゴや社名ロゴが確立されて、それらをパンフレットの表紙に表記されている。この上の両画像を新旧比較するとよくわかるが、ブランディングを核にして考えると、推して知るべしだ。
カタログ【営業・販促】
製品カタログの要件
前述の通り、取扱い全製品、もしくはカテゴリー全製品を網羅的に掲載された媒体がカタログ、という一般的定義ですが、ここでは販売促進や営業活動に強力なツールにするための付加価値のカタログづくりにフォーカスします。
しかしながら前述パンフレットの項目で、諸元・仕様データ、スペック情報等、定型的・網羅的特徴に終始するのがカタログ...という言及をしていましたが、やはり強力ツール、付加価値カタログ、に仕立てるためには標準的カタログでは効果は一般的です。
それはまずもって、ユーザーが欲しい製品・サービス情報に迅速に行き着くための「検索性」は最も重視されます。
さらに製品ジャンル、カテゴライズを緻密に行う必要があり、その仕分けは単純に製品カテゴリーのみでなく、目的・用途分類やソリューション区分など、取扱い製品群・商品の性質に応じて様々なカテゴライズも視野に置くことが、ユーザビリティの高い、強力ツール、付加価値のカタログづくりに直結すると言えます。
タイプ別のカタログ
このタイプ別というのはカタログ特有の分類となりますが、3タイプに分類できます。
1つは営業パーソンが所持する動的なポータブルタイプ、2つ目は顧客設置タイプ、3つ目はポータブルと設置の両用タイプに大別できるかと言えます。
ポータブルタイプは品種が比較的多くはなく、中綴じや無線綴じでも100ページ以内ほどのボリューム感で、顧客に設置しておく必要のない、営業活動向きプッシュ型です。
顧客設置タイプは分厚いバインダー綴じ、またかなりの重厚なカタログで、常時・継続的に顧客に設置しておき、顧客には必要に応じてそのカタログからオーダーさせる、いわゆる販売促進用のプルな静的カタログです。営業パーソン携帯には不向きな場合が多いようです。
3つ目はこれらポータブルと設置型の両タイプのハイブリッド型で、その両方の特徴を兼ね備えていますのでっそれぞれの特徴を活かした使い分けとなります。
プロダクトブランドのカタログ
製品だけでなくサービスや商品にもそれぞれが宿すブランド定義があります。
カタログの場合、カテゴリー分類の下、製品写真、仕様・諸元、製品特徴等の機能的情報やファクト情報以外、情報としての付加価値はカタログにあまり求めない傾向があります。
提供側はその製品のスペックに他者との違い・強みがあるのだ!と、確かにその発想は無理からぬことだとも言えます。しかしながらそれではユーザーは機械的に数値の違いを読み取らねばならず、一定の専門性を要求されます。
例えばほぼ機能的に変わらない、或いは若干の優劣がある場合、それぞれが皆同じようにスペック、機能情報のみだと、ユーザーのマインドはどうなるのか?あとは価格が一番安いところ、とならざるを得ず、ドロ沼の価格競争に陥らなければならない...
このような無益な戦いをしなければならないことだけは何とか避けたいものです。
その意味からも、プロダクトブランド、サービスブランドという付加価値ある差別的カタログづくりがの求められます。
中でも特に「顧客設置タイプ」カタログにおいては”カタログに仕事をさせる”概念を組み込むことが重要です。何故ならば顧客先に常時設置している場合、営業パーソンを呼ぶ前に、価値ある詳細情報をカタログ単独ででも提供したいものですし、手に取って見る動機となるカタログのクリエイティブも重要です。
前項パンフレット「製品情報はプロダクトブランドの要」、さらにその表組み「コンテンツ比較」「クリエイティブ比較」は、カタログにも充分通ずることですので、ぜひご参照ください。
【Web活用】製造業の集客・営業機会創出
Web集客の基本
さらに「製造業の【法人営業・広報】ツールづくり」のテーマの主旨からすると、Webの活用は避けられません。特に集客ツールとしてのWebは、その威力をツールの中で最も強力に発揮できるものです。
- コーポレートサイトを直接BtoBの商用に活かす
- 商用専門サイトを集客に活かす
- LP(ランディングページ)を集客に活かす
等々がありますが、それ単独で機能するものではなく、検索エンジン活用、Web広告活用等の連動が前提となります。
検索エンジン対策では当然適したキーワードで上位表示を目指しますが、製造業の場合、ターゲットユーザーが専門職やエンジニアということも多く、専門性、技術性、独自の業界用語...等々、比較的ニッチなワードで攻めることもあると考えられます。
従って品質の高い、独自性のある、いわゆるユーザーにとって有益なサイト、ページコンテンツを作れば、Googleからの評価は得られると考えられます。
検索エンジン上位表示が叶うまでの間、リスティングなどのWeb広告を投入するのも有効です。
反響管理とリードづくり
実際の反響から問合せに至った場合、その受付を記録し部門内で共有する仕組みが重要です。そこから担当者を決定し、商談ープレゼン・見積ー受失注までのプロセスを一元管理し可視化しておくことも必要です。商談にまでは至らない資料請求や見積依頼の場合も、担当者を決めその後のフォーローアップをしていく、いわゆるリードナーチャリング(見込み客育成)もWeb反響の重要な資産となり得る可能性があります。
そのリードナーチャリングについてもう少し触れておきます。製造業のBtoB取引の場合、高額な製品が多く、ユーザーは様々なその設備投資にあたっては複数の業者にあたり、複数の製品を検証し、中長期的にかなり慎重な選考をします。
そこで威力を示す手段の一つがメルマガです。
BtoBのメルマガのネタは、展示会出展情報、セミナー開催情報、新製品情報、個別相談会、資料請求...等々、検討ユーザーに多頻度にリーチする機会を設け、それをメルマガで告知・アナウンスして行きます。ユーザーをエスカレーターに乗せて、徐々にその確度を高めて行く、つまり醸成(ナーチャリング)していく戦法です。展示会、相談会、資料請求のどの機会でも、前述した品質を持つ製品カタログやパンフレットは強力な営業ツールとなります。
営業パーソンのツール活用
営業パーソンによる受注に向けた商談が開始されれば、プロダクトブランドの製品パンフレット、総合カタログ、またコーポレートブランドの会社案内が優れた武器となります。
つまりこの一連のBtoB集客作戦は、Web集客から始まり、営業活動でパンフレット・カタログ等の紙媒体ツールを使用し、受注に向けた商談活動を展開する、いわゆるミニマルなレベルですが、「クロスメディア戦略」とも言えるものです。ぜひ製造業BtoBはこの手法で取り組んでみてください。
【動画活用】製造業の商談・イベントツール
動画の動的パンチ力
最後になりますが、動画も製造業の商談・営業ツールとして大変有効な媒体です。
コンテンツの基本構成は、前段のパンフレットやカタログづくりで唱えた「プロダクトブランド」や「コーポレートブランド」がその核となります。
その動画の差別性は、何と言っても他媒体とは比較できないほどの瞬間力と空間創造力だと言えます。
少々大袈裟ですが、動画は視聴者の理解と共感を視聴の間の瞬時に実現できる唯一の媒体です。
その種類は会社案内動画、製品案内動画、採用動画、周年動画等様々ありますが、とりわけ製造業のイベントや商談には威力を示します。
展示会ブース内での製品紹介・説明、商談時における製品動画のストリーミング視聴は迅速でしかもディテールの理解を促します。それは紙媒体やWeb媒体では再現できないリアルタイム性による刷り込み効果でしょう。
他媒体との組合せ活用がさらに威力
ではこの製品紹介や会社案内動画等の動画だけで商談やイベントでの効果的運用が図られるか?というとそうでは無いと考えられます。
それは言わば”その場の空間づくり”ということに尽きます。
例えばユーザーが複数社、複数製品を検討している場合、動画視聴のその場で盛り上がっても、商談の次の段階に進行する場合、製品パンフレット・カタログ、公式な会社案内が必要です。
つまり動画のライブ感で刷り込み、上記の紙媒体やWeb媒体でリマインドさせる、或いは継続的に商談を推進するツールの併用、というのが製造業BtoBを実現させるための必須メディア群だと提唱しています。
Webとの親和性
またこの動画はWebとの親和性が非常に高く、コーポレートサイトのTOP画面への会社案内動画の埋め込み、製品情報ページへの製品動画の埋め込みなどです。
特に製品動画は自社製品の機器類や設備類の稼働状況、動作するディテールなど、エンジニアや技術関係者にとっては、Webでとりあえずの専門的情報を入手でき、スピーディに意思決定に繋がることも可能とします。
またGoogleはこの動画のWeb活用を推奨していますし、検索結果にも良い効果をもたらします。