01発注ご担当者の悩み
会社案内・パンフレット・ロゴマークなどの広報物、Web制作にあたって、お客様からよくいただくご相談です。
発注ご担当者の悩み
- 『パンフレットやカタログを専門部署ごとにつくらせていたが、気が付いたらそれぞれが全く別物になっており、ロゴデザインの取扱いに至っても勝手な表現方法になっていた。この状況を何とか改善できないか。』
- 『社内には様々な広報・広告・Web・印刷物等の制作物があるが、これらの発注先が5社以上あり、新規や追加など案件発注ごとに、各社に同様のオリエンをしないといけない。しかも理解度が各社でバラバラ、円滑な進行の足かせになっている。』
などといったことがあります。そういう問題意識を具体的にお持ちで無い場合でも、言われてみると、あるあるとお気付きになる場合もあります。
これらのケースは、企業にとっての「ブランディング」という、無形の価値観や文化的資産が、社内であまり意識されなかった、或は忘れられたことによって起こりうる悩みです。
02ワンソースマルチユースの概念
ここで浮上してくるのが、すべての媒体・制作物を統一した基準にて、しかもデザインやコピー・メッセージなどの表現の在り方、製品やサービスの価値観までも普遍的なレギュレーションによって管理・運用して行こうという概念です。
具体的に言えば、ロゴデザイン制作で策定したVI基準にそって作成した、会社案内のデザインやコンテンツを、企業サイトに反映させて制作する、このことによって、会社案内とWebの見た目のデザイン、コピーなどの文章や表現方法が統一したものとなります。
いわば1つの素材・表現方法をもって、それを他の多様な媒体に適用するブランディングのあり方、いわゆる「ワンソース・マルチユース」の実践です。
これをメディア(媒体・制作物)を融合・連携させるという意味から、「メディアミックス」と呼んでいます。
ただしこのことは、前述2番目のお悩みにもあるように、複数社がからむとなかなか実現できないことが多いようです。弊社では全てを1社にてマネジメント運営できることがメディアミックスの実現には最適と提唱しています。
この1社で行うメディアミックスの大きなメリットを次項でご紹介します。
03メディアミックスにはこんなメリットが
【メリット-01】 ブランディングの統一
『イメージがバラバラな各種制作物を統一したいが…』
会社案内・パンフレットとWebのみならず、製品カタログ、CI・VI、企業ムービー…と、制作物のブランドイメージ、デザイン性、コンテンツ等全てにわたり統一性を図り、「この会社にこのデザイン」、「この製品にこのイメージ」を実現します。
【メリット-01】の効果
- クライアントやユーザー、全てのステークホルダーに対し、普遍的な企業ブランディングを発信・醸成
- このイメージはこの会社、といった具合に顧客やユーザーの意識の中に存在感・価値観のブランディングを識別
- 外部折衝で各媒体を活用している社員のモチベーションアップ
- 採用計画における求職者への好感度を向上させる採用ブランディング
【メリット-02】 窓口担当者の省力化・業務効率化
『媒体ごとに業者が異なるので、オリエンを何度もやって非効率…』
広告物、印刷物、Webと、とかく窓口のご担当者様は多頻度に各業者に指示徹底を行わなければなりません。「ただでさえ忙しいのに…」と、もはやぼやくことは不要です。
全ての媒体づくりの業者を一本化することは、”あうん”の距離感で、ご担当者様の省力化と業務の効率化に貢献し、企業価値向上のブランディングに貢献します。
【メリット-02】の効果
- パンフレット・会社案内、Webをはじめ、全ての媒体制作業者を一本化することで、業者ごとに何度も同じオリエンすることが不要となり、ご担当者様の無駄を削減。
- 継続的な取引関係を1社で行うことで、常にブレの無い普遍的なブランディングを保持でき、新規案件発生の際も、ご担当者様は必要最小限の要件提示のみで済む。
【メリット-03】 信頼感・安心感の確保
『製品力はあるが、何かが足らないと顧客から言われることがある…』
別の会社のパンフレットみたい…。顧客だけでなく、社内からもそんな声が…。
Webから資料請求、届いたパンフレットのデザインがWebとは全く別デザイン。
はたしてユーザーの心理は?
【メリット-03】の効果
- 異なる複数の媒体間で、統一したデザイン、共有したコンテンツやイメージ表現できることで、対象のターゲットユーザーに、情緒的安心感、信頼感を与える。
- この安心感、信頼感は、人々の心理に好感という優位性を形成し、理解から共感へ導き、購入、申込み、問合せ、応募などポジティブなアクションへと誘導を可能とする。
- 継続的な取引関係を1社で行うことで、常にブレの無い普遍的なブランディングを保持でき、新規案件発生の際も、ご担当者様は必要最小限の要件提示のみで済む。
【メリット-04】 社員の意識高揚
『イメージの統一やトーン&マナーのブランディング一致は、社員の意識高揚につながる?』
つながります!
ブランディングに企業が本格的に取組むこと、この意思は必ず社員の方々にも伝播されます。
【メリット-04】の効果
- 普遍性の高いメディアミックスを導入することで、どこを切っても揺るぎない企業アイデンティティが可視化され、社員は愛社心、帰属意識が醸成される。
- とりわけ、パンフレットや会社案内、カタログ、その他媒体に直接触れる機会が多い営業パーソンはダイレクトに実感する。
- 外部からの客観的な評価があった場合に、社員は一定の優越感を持つことができる。
04必見! パンフレット+Web導入事例【オムロン直方株式会社様】
社内の協調性・連帯感を生み、社外では狙い通りの新規ユーザーにリーチ
すべての媒体・制作物を統一した基準にて、しかもデザインやコピー・メッセージなどの表現の在り方、製品やサービスの価値観までも普遍的なレギュレーションによって管理・運用して行こうという概念です。
具体的に言えば、ロゴマーク制作で策定したVI基準にそって作成した、企業パンフレットのデザインやコンテンツを、企業サイトに反映させてつくること、このことによって、企業パンフレットとWebの見た目のデザイン、コピーなどの文章や表現方法が統一したものとなります。
いわば1つの素材・表現方法をもって、それを他の多様な媒体に適用していく、いわゆる「ワンソース・マルチユース」の実践です。
これをメディア(媒体・制作物)を融合・連携させるという意味から、「メディアミックス」と呼んでおり、このオムロン直方様はそれらを地で行くケーススタディとしてその典型をなすものです。
オムロン直方様のご相談内容
- 現在社内で使用している製品パンフレット、事業ガイド、会社案内、WEBサイト等、制作業者や印刷業者が複数にわたり、イメージやトーンがバラバラで、これを解決したい。
- 半導体機器製造とEMSソリューションが事業の根幹だが、前者のハード機器メーカーとしての認知度が先行。本来の強みはEMS・OEMアウトソーシングの請負いによるソリューション力。この強みを強く媒体を使って打出していきたい。
弊社の提案
- 同社様で使用している全ての広報・広告・WEBの制作物を洗い出し、パンフレット・カタログ等各媒体のポジショニングを定義、過不足媒体、リニューアル媒体を明確にし、全ての媒体を統一ブランディング、キービジュアルにて包括的にブランディング制作することを提案。
- 基幹の2事業の存在を、二つの円をクロスさせ、交わることで強い相乗を生む、というコンセプトの【クロスサークル】をキービジュアルとして提案、明確に2事業を視覚化させた。
- 同時にその2事業の存在を顕在化、可視化させるため、それぞれを「プロダクトガイド」、「ソリューションガイド」の事業パンフレットに分けることとを提案。
1.キービジュアル「クロスサークル」とコミュニケーションワード
「豊かな社会の実現へ向け、お客様へ、そして未来へとリンクしていく」思いが込められたキービジュアルとコミュニケーションワード。象徴的な2つのサークルには、創業以来培われてきた理念と、プロダクト事業とソリューション事業の2つの基幹エンジンをビジュアル化しました。このサークルには、あらゆるニーズに応え、提案していく先端企業としてのビジネスモデルのあり方が表現されています。
二つの円をクロスさせ、交わることで強い相乗効果を発揮することを、シンボリックに視覚化しました。
画像の下部に配置されているのが、「Link with Sense」というタグライン<コミュニケーションワード>です。「豊かな社会の実現へ向け、お客様へ、そして未来へとリンクしていく」同社様の社内外に向けたコーポレートメッセージです。
2.各種パンフレット+ポケットホルダー
VI計画で策定したコンセプトやフィロソフィーをベースに構成。コーポレートカラーをメインに、BtoBの営業ツールとして、「安心と信頼」を印象付ける付加価値の高いパンフレットづくりを行いました。ホルダーにはクロスサークルの曲線をイメージしたなめらかな手触りの用紙を選定するなど、あらゆる方向か ら企業理念とビジョンを具現化するプロデュースを行っています。
プロダクトガイド<生産事業パンフレット>
基幹の2事業の一つ、半導体組込製造事業の枠組みをコンテンツにし、このプロダクトガイドに集約した。ここでも「クロスサークル」を全面にフィーチャーした。
ソリューションガイド<開発事業パンフレット>
EMS・OEMソリューション事業・開発事業の枠組みをコンテンツに。同社様の強み、対応力を余すところなく紹介。
会社案内
オムロングループ企業としての存在価値を全面に押し出しつつ、同社様の事業のブランドイメージたる「クロスサークル」で表現。
製品パンフレット<製品案内リーフレット>
同社様の開発した汎用製品を一製品一ペラパンフレットの仕様で構成した。製品ごとに色分けをし、各製品にアイデンティティを持たせたが、全て「クロスサークル」でそのベースイメージを表現している。
パンフレットのポケットホルダー
パンフレットホルダーは二つ折りでA4規格サイズより若干大きめのA4ワイドとし、内ポケット加工により、そこに事業パンフレット、製品パンフレット、会社案内等の冊子を挿入して使用します。ポケットも写真のように「クロスサークル」の形状としています。
統一デザインの全パンフレット揃い踏みの収納スタイルは、ボリューム感と存在感を高めます。
3.コーポレートWebサイト
VIコンセプト、各種パンフレットのデザイン性・コンテンツ共有の方針の下、全面リニューアル制作を行いました。
実はWebサイトに全ての情報を集約、コア機能としての役目を持たせる、いわゆるWebファーストの概念で各種媒体のポジショニングを決定しました。
その枠組みでパンフレット各媒体にはその導線としての役割を果たすクロスメディア展開を採用。ターゲットと目的に沿って媒体ごとの立場を明確化しつつ、あらゆるユーザーへ訴求力を高めるプロモーションを可能としています。ここでも「クロスサークル」がキービジュアルのブランディングとして、普遍的に反映されています。
TOPページのメインイメージが「クロスサークル」のバリエーションで変化します。2015年にリニューアルしましたが、2008年以来そのスピリッツは脈々と受け継がれています。
効果の検証
- VI構築後、社内で説明会開催。「クロスサークル」の意味するところと、2大事業の明確なポジショニングから、これからの事業ビジョンを説明。その後これまで以上に事業部間で協調性ができ、連帯感が強まった。
- 新キービジュアルに則ったコーポレートWebサイトで、事業ブランドのメッセージ力にあわせ、明確にプロダクトとソリューションの存在をコンテンツ化したことで、リニューアル前より、EMSにてアウトソーシングを求める新規ユーザー、しかも比較的質の良いレベルの反響が多くなった。
- 営業や採用、また広報活動などにおいて、クロスサークルの意味を説明すると相手方の共感をもらえ、同社様の事業の理解度を深めることに貢献している。1、2ともにブランディングや、それを各媒体にシームレスに反映したメディアミックスによるブランディング効果といえる。
オムロン直方株式会社様 企業情報
- 所在地 福岡県直方市上境飛熊2770番地
- 事業内容 産業用電子機器の開発・製造受託
- 社員数 170名