01周年記念・創業記念の意義
周年・創業は企業だけでなく、製品・サービスもビジネスチャンス
10周年、50周年、創業100年…などと、企業の周年記念・創業記念、また製品やサービスにおいても「発売から20周年」というように、10年の倍数、またその半分の+5年(15年、25年…)を一つの事業の区切り、マイルストーンとして、企業の経年価値を可視化させ、周囲にアピールできる、数年に一度のビッグチャンスです。
企業の周年・創業では、あらゆるステークホルダーに対して存在価値を再認識し、社外の取引関係は営業的なビジネスチャンスのみならず、金融・官公庁へは信用性向上、社員へはその家族含め愛社心・ロイヤリティ向上、採用では安定志向の求職者への強い共感度醸成など、社内外含め様々なブランディング効果を生みます。
また製品やサービスでも同様ですが、よりエンドユーザーに近い位置にある、BtoCの製品・サービスにより効果的です。
製品への好感度アップ、ブランドイメージの定着、また周年に伴うセールスプロモーション、イベント・キャンペーン、純広告出稿など販売促進のチャンスに大いに活用していただけます。
昨今の傾向として、1周年、2周年、8周年…などと、10、5のきりのいい数字だけではなく、周年そのものを一つの販売促進の機会に押上げ、かなり細目な年度で周年を実施しているケースも見かけるようになりました。
周年・創業の可視化方法として、経年した年数をシンボリックに図案化したケースが多く、このマークを「アニバーサリーマーク」「アニバーサリーロゴ」または「周年ロゴ」といいます。
02目的ではなく可視化して効果を狙う
お祝いで終わることだけでは…
周年・創業とはいえ、それを行うことが目的になってしまったのでは、実施する意味合いが自己満足的な域を超えることはなく、投資効果は限定的です。
例えば、周年レセプションを開催した場合、参列者・来賓に上製加工した社史・記念誌出版物や高価な記念品・ノベルティを持ち帰ってもらう、またその会場では作った社史ムービーを公開するなど、費用としてはかなりのものになります。
もちろんそれを否定するものではなく、周年を参列関係者でお祝いする、という意味合いでは目的を果たしますが、見方を変えればその場だけの”お祝い”、という域を超えることはないかもしれません。
大事なのは発信力・伝播力・機会創出力
重要なのは、関係者だけででなく、まだ見ぬポテンシャルユーザー、利害関係者全般にわたっての情報の発信力や伝播力、営業機会やコミュニケーション機会の創出、社員から家族・親戚まで含めたインターナルな愛社心高揚、等々に結びつけるブランディング効果です。
それを最も可視化し、その精神や想いを社会に発信・伝播する手段として、前述した「アニバーサリーマーク」(周年ロゴ)の存在を無くしては語れません。
03アニバーサリーマークと効果的な媒体展開
周年ロゴを媒体・ツールに反映
このアニバーサリーマーク・周年ロゴを核に、以下の展開方法で各媒体、各ツールに反映させます。
既存の広報・広告媒体への表記として
- 会社案内パンフレット、カタログ、WEB、名刺・封筒、会社エントランス、営業車マーキング等
周年・創業の専用媒体・固有のツールとして
- 周年パンフレット、周年バッジ、周年特設サイト、社史ムービー、周年社旗、記念誌、クレド、アニバーサリーブック、ポスター、記念品・ノベルティ等
マス広告・メディア出稿として
- 新聞広告、雑誌・業界紙広告、交通広告、プレスリリース、TV広告等
展開イメージとその効果的運用
ここでは30周年を例にした周年記念の媒体や制作物のシミュレーションをしてみます。
周年ロゴマークを核として、発信力・伝播力の高い会社案内・パンフレットや記念誌、社史ムービーなど、様々な媒体やツールに反映させる展開例です。
営業・商談シーン、事業・ビジネスシーン、社員の愛社心向上、採用シーン、IRシーン…等々、前述しましたが、お祝いの周年・創業だけで終わらないことが重要です。
●会社案内・企業パンフレット
30年の社史・ヒストリーをメインのコンテンツと、周年ロゴを配置。営業・商談・採用等のシーンが訴求機会です。金融機関、官公庁、株主への訴求力も発揮。
●コーポレートWebサイト
サイト上に常時周年ロゴを配置、特設サイトへもリンク誘導。各種媒体やツール類でURLを記載し誘導。
●周年パンフレット
30周年特化のコンテンツ構成で、社内外問わず営業・採用・イベント等様々な機会に多頻度に配布。上場企業の場合は株主にも配布。重厚な上製本での記念誌よりも、様々な機会に多数配布でき、手軽でコストも抑え、よく見てもらえる、という効果が期待できます。
●周年特設Webサイト
周年パンフレットのWeb版。社史・ヒストリーを中心に社員やOB・OG、著名人のメッセージなど、NEXT40周年に向けたメッセージが素敵なコンテンツになります。1年前の29年目から1年後の31年目迄の3年間の特設とすれば、長期にわたって社内外に広く情報発信できます。
●記念品・ノベルティ
雑貨・調度品・装飾品等であれば、包材・化粧箱に周年ロゴ刷り込み、ステーショナリー類であれば、ノベルティ本体に名入れ、周年ロゴ刷込み。レセプション、社員・家族、展示会、採用イベント等で配布。
●会社エントランス・ポスター
30周年ポスター、もしくはタペストリーで演出。全ての来訪者にごく自然に告知を行なえます。
●製品カタログ
既存カタログには30周年シールを、新規作成するカタログはロゴ配置。特に総合カタログなどの設置用カタログは、オーダーや商談の度に、ユーザーの目に留まることになります。
●名刺・封筒
既存の名刺・封筒デザインに30周年ロゴを配置、もしくはシール添付で告知。営業活動、展示会など名刺配布ごとに周知が自動化できる。見積書、FAX送信状、レターヘッドにも配置します。
●グリーティングカード
周年に伴う、社員とその家族に向けた感謝のメッセージ。グリーティングカード形式にて、別途作成した周年パンフレットやノベルティと抱き合わせで配布。企業・社員の一体感と連帯意識の高揚が図れます。
●社内報・機関誌
社内報はインターナルパブリケーションになりますが、表紙に周年ロゴ、コンテンツは特集記事が効果的。また顧客対象の機関誌・広報誌はパートナー関係の強化を狙えます。
●記念誌・アニバーサリーブック
上製仕上げの重厚な装丁の記念誌、またはもう少しライトなアニバーサリーブック。高価だけに社員、レセプション時のみ配布としてもいいでしょう。
●パッケージ・包材
製品パッケージ・包装材など、表面に周年ロゴを配置します。特にエンドユーザーへの告知効果は抜群です。
●新聞広告・業界誌広告
商圏や予算に応じて、全国紙か地方紙か、複数誌か単独かを選定。上場企業やその関連会社、地方であれば有力企業は一定の効果は期待できる。また特定の業界誌などの広告出稿も告知には効果的です。
●プレスリリース
有料・無料にかかわらず、複数のプレス社に周年を一斉配信。取材や掲載を誘導する。
04周年記念・創業記念の展開事例
【事例-01】掘削機器業界リーディングカンパニーの『60周年記念ブランディング』
三和機材株式会社 様<東京都・建設機械メーカー>
2015年に創業60周年を迎えるのを機に、会社案内パンフレットにその価値ある歴史と歩みを顧客やユーザーに伝えていきたい、というオーダーに、周年パンフレット・記念誌と見紛う構成の会社案内パンフレットを提案しました。
同社様は、基礎抗施工の掘削機械メーカーとして業界で高いシェアを誇っており、それは技術開発力にあると言えます。60年の歴史は、技術開発の歴史でもあり、営業・商談・トップセールス、採用、イベントにおける様々なビジネスシーンで、60周年という経年の高付加価値をその時期だけの限定媒体ではなく、恒常的に使用できる会社案内にその60周年要素をビルトインして、周年記念にも使えるように、巻頭に4ページの特設ページを設け、これを創業60周年記念特集としました。
周年が終わった後は、巻頭の4ページを外すと通常の会社案内パンフレットとなるギミックです。150以上の特許を持っており、業界内で「技術の三和」と評され、独自の技術と創造性で、創業以来変わらない技術開発のスピリッツを反映した会社案内パンフレットです。
【事例-02】100年を語る『雑誌風周年記念誌』のパンフレット
けやき坂クリニック 様<栃木県・医療クリニック>
歴史と理念を医師の言葉で語る、雑誌のような100周年記念パンフレット制作事例です。
代々にわたって地域に愛され、地域に根付く医療に従事してきた、その自負と誇りを何とか地域の患者さんや、院内の看護師をはじめとする職員に伝えていきたい。その想いを単純なクリニック案内や沿革情報で終わらず、手軽に読みやすい、それでいて格調高くと矜持を備えた高級雑誌風「周年記念誌」パンフレットに仕立てました。
現役ドクターとして医事現場に従事されるご尊父をはじめ、そのご子息の院長並びに夫人、また孫にあたるドクター。歴代この一家が、一重に地域医療に貢献してきた偉業を、肩肘張らず驕ることなく語りかけたい、その気持ちを「医師の言葉」としてインタビュー、対談、コラム形式で表し、各ドクターのキャラクターを引立てる工夫を凝らしました。
表紙はその価値あるヒストリーを感じさせる、アンティークな顕微鏡のビジュアルデザインに仕上げています。
【事例-03】10周年記念ブランディング、価値ある『お手軽3点セット』
東芝エルイーソリューション株式会社 様
全国点在のグループ企業各社が、設立10周年を迎え経営統合。社内の企業理念や事業ビジョンを共有し、連帯意識醸成を図る目的で、その象徴となる共通の指針やメッセージを社内外に発信したい。
イベント開催や豪華な記念誌ではなく、限られた一定の予算で効果のある施策を導入したい。
このようなリクエストの下、弊社では現状認識を経て、
10周年ロゴマークを社内共通のシンボルとし、周年パンフレット+周年特設Webサイトのメディアブランディングの提案を採用いただいた。
上製の化粧仕上げをした社史・記念誌であれば、ページ数、印刷部数にもよるが、やはりかなり高コストの可能性がある。同社様のご要望から、その意向はなく、枠内の予算で、しかも社史・記念誌よりコスト効果の高いアニバーサリーマークを核とした、パンフレット+特設Webの3点セットが、実は同社様の現状・実態に即した、最適な周年対策と評価をいただいた。
導入後、統合された社内の連帯感定着、また顧客や取引業者へも営業的効果として、企業ブランディング確立は想定以上のものとなった。