間違いだらけの会社案内づくり
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内製志向が生む、残念すぎる会社案内
「自宅でクルマを製造したいのですが、つくり方を教えてほしい」
自動車メーカーにこんなムチャなお願いをする人を見かけたことはありませんか。
「ない!」ですよね。
でも、実は似たようなお声がけをいただくことが、私たちにはよくあります。
「内製で会社案内をつくりたいのだが、相談に乗ってほしい」
私たちに寄せられるよくある声の一つです。
ここまで読んできて、読者の皆様はこう思うかもしれません。
自動車製造には大がかりな生産設備が必要だけど、
会社案内なんてパソコンとアプリケーションがいくつかあれば、出来てしまうじゃないか。
でも、本当にそうでしょうか。
ちょっと、ご覧いただきたい事例があります。
アウトソーシングだからこそ引き出せる顧客インサイトがある
この作品の同社は、
ソフトバンク向けのITソリューション開発と、
開発したITソリューションを視点を変えてカスタマイズし、
一般に販売する外販事業を2大事業としています。
「専用ITソリューションを視点を変えて汎用製品とする」という
同社の最大の特徴かつ強みが会社案内のコンセプトです。
会社案内は、6つのサークルを配したロゴマークに目を付け、
視点を変えるとそれがブロックになり、ブロックが建造物になり、
最終的には未来を運ぶ船だったというストーリーでクロージングします。
「視点を変えると新たな価値が見えてくる」というコンセプト・メーキング。
それをわかりやすく視覚化したデザイン。全体のトーンを決定づけるイラストレーション。
極力書き込みを避け、最小化した、読み込まずともわかるコピー。
そして、最適な用紙選択と色彩管理がなされた印刷。
この会社案内制作が、いくつものプロフェッショナルなスキルによって
成立していることがお判りいただけましたでしょうか。
きちんと機能する会社案内をつくるには、膨大な制作経験とインサイトを引き出す深い考察、
そして、必ず役に立つものをつくるという強い意志が必要です。
表層だけを追いかける、スマートデザインの嘘
もう一つ、よくある声を紹介します。
「オシャレなデザインの会社案内をつくりたいのですが」とか、
「カッコいい会社案内が欲しいです」というものです。
ところが、「オシャレとはどのような会社案内を指すのですか?」といった質問や、「なぜそのような会社案内が必要なのですか」といった質問を投げかけても、
答えられず、口ごもってしまうことがほとんどです。
つまりは、個人的な好みでしかなかったりするのです。
制作物には必ず目的がある
まず以下の作品をご覧ください。
企業のシステム開発受託を主たる業務とする、
システムインテグレーション企業の会社案内です。
とてもカッコいいデザインですが、それを目的につくられたのではありません。
コンサル系企業ゆえサービスが商品であり、商品にカタチはありません。
ですから、信頼や誠実といったことがとても重要になります。
ネイビーを基本カラーとしているのは、まさに信頼を表すカラーだから。
あえて余白を活かした版面率を下げたレイアウトを採用し、
写真をモノトーンで仕上げているのは、
元気さ・活気よりは落ち着いた重厚感と品格を備えることで、
サービスの質を示したいがゆえです。
このような目的を達成するためにデザインした結果が、
シンプルでカッコいい会社案内になったということなのです。
会社案内制作の際は、
「誰がいつ何のために使うのか」を今一度意識していただければと思います。
時代の変化によって、正解が間違いになることもある
つくった当時は間違いではなくても、時代に対応して変化してきた現在の企業像と
既存の会社案内との間のギャップが大きく開いてしまうことがあります。
次の事例は、「時代を先取りした洒落たオフィス空間の演出」ができるオンリーワン企業でありながら、「間仕切り屋」とか「建具屋さん」などのイメージがなかなか拭えずにいた
インテリア建材会社の企業パンフレット制作を通じたリブランディングの実例です。
同社は旧来イメージからの脱却を図るべく、社名・製品カテゴリー名を変更。
新宿副都心のオフィスをモデルショールーム化するなど、
積極的にブランディグを推進してきました。
パンフレットによるリブランディングの成功は、それ単独でなし得るもではなく、
お客間企業の取り組みや意識改革があってこそ成立するものと実感した事例です。
全く別物と言える企業定義。まさにリブランディング実践の証。
上画像の2作品は、前述した企業の会社案内ビフォア・アフターです。
企業の印象が、ここまでドラスティックに変わるのだから面白い。
自社開発のパーティション・ブランド「5シリーズ製品」と、
それを用いた空間表現を主役に据えたアプローチによるリブランディングと言えます。
旧・会社案内が概念やメッセージで自社の強みを訴えていたのに対し、
新・会社案内では自社製品を用いて、
コアコンピタンスを視覚化しているのが大きな違いです。
それを可能にしているのは、パーティションによる空間表現を、
さらにフォーカスして捉えるフォトグラフ。
そして、撮影した写真を活かしきるアートディレクションといえるでしょう。
他にもまだある、間違いだらけの会社案内づくり
まずは、制作動機。
「いま使っているのがなくなったので」
「上司につくれと言われたから」
「周年だから、この機会に」
これらに共通するのは、いずれも会社案内制作の目的ではないということです。
そして、会社案内制作の現状。
「最終的には印刷するので、制作もまとめて印刷会社に依頼」
「とにかくコスト優先。相見積もりを取って、一番安いところに発注」
「テンプレート等があり、短納期であることが条件」
これらに至っては、手段を間違えていると言えるでしょう。
目的を達成するために手段があるのであり、これらの制作状況は制作目的に直結していません。
誰がいつ、何のためにどう使うのか。
会社案内づくりは、まず、そこから始まります。
明確な目的設定。そのために必要な情報の精査。最適に表現するクリエイティブ。
プロの手によって精密に設計された会社案内は、上記の会社案内とはまったく別物です。
たかだか8ページや12ページの印刷物が、信じられないような成果を発揮します。
間違いだらけの会社案内によって営業機会を損失したり、企業ブランドを低下させてしまう前に、
かかったコスト、費やした期間を遥かに上回るパフォーマンスを体験いただければと思います。
さて、間違いだらけの会社案内という残念すぎることにならないよう、
弊社では「失敗しない会社案内づくりセミナー」を開催しています。
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