広報・広告-25

企業の周年記念は【継続・拡散】効果と【コストダウン】がトレンド

20周年、50周年、100周年と、
創業からの節目を祝い、次のマイルストーンを誓う。
周年事業として、立派な社史編纂や周年式典開催に大きなコストをかけた。
ところがなぜかその場限りで、その後の継続効果や波及効果が無い。。。
そこに一石を投じ、インナーだけでは勿体なーい!
として、少しだけ発想を変えて取り組むと、ナント、B/Cが一気に高まる。


クロージングでは《インナー vs アウター》でコストの徹底比較、
周年記念の検討企業は必見です!

1. 企業が存続している希少価値

企業20年説、30年説などと言われますが、
諸説あるものの、創業から10年後に存続している企業は40%に減り、
20年後に20%、30年後には何と5%。。。
ベンチャー企業に限ってみると、10年後6.3%、20年後は0.3%!
ナントショッキングな数値だこと!
さらに平均寿命で見た場合、東京商工リサーチの調査では23.9歳、ウ〜〜ン。。。

いやはや栄枯盛衰えいこせいすい生者必滅しょうじゃひつめつ会者定離えしゃじょうりと言う残酷な世の定めに、企業は常にさらされ続けるのです。

そんな中において、30年記念とか50年記念、さらには80周年、100周年!
ブラボー!よくぞご無事で、価値あるマイルストーンへ!

とまあ、おふざけではありません。希少価値と言うか、ナント誇れる存在価値なのでしょう!
それだけ企業の辿ってきた足跡、成長を遂げてきたエネルギー、
そして次世代への発展的存続を誓う機会はたっとばれるものなのです。

2. コストがかかる割には、効果がイマイチ。。。

そのような周年記念の機会に遭遇する企業、一般的に伝統ある企業ほど重厚で、形式を重んじる傾向があります。
その大小規模感は異なるものの、
来賓・社員・家族を招いての式典パーティー、編纂された分厚い社史、社員向けの豪華な記念品、周年告知の新聞広告等々。
実は新聞以外、全てがインナー向けのものばかり。
新聞はアウターだが瞬間最大風速が吹き荒れても継続性はナシ。

ところがいずれにも共通した概念、それは莫大なコストがかかること。場合によっては数千万円のレベル。
さらにその場限りで、終わった瞬間そこから継続性や広がりはほぼ皆無。。。
つまりお金をかけたわりに、効果がその場だけの社員や関係者に限られ、コスパはお世辞にもいい筈は無い。
またその裏には社史編纂に動員された社員のオモテに見えない激務。。。

実はこの社史編纂にかかる人的コストも加味すると、総額は天文学的レベル。。。
とは必ずしも大袈裟なことではありませんゾ。ではどうしたらいい?

3. アウター向けの発信で【継続と拡散】が実現

冒頭のリードでも語った通り、弊社の主張はインナーだけでは勿体無ーい!
今や内向きから外向き、同じお金をかけるならコスト効果だけでなく、コストダウンまでやってのけるのだ!というのが趣旨です。
しかしながら、筆者はインナーを全て否定しているのではなく、
必要に応じて、また効果やコストを見極めた計画性や合理性に鑑み、自社に最適なセレクトをすべき!
つまり何が何でもインナーありきではなく、
継続・拡散の効果も踏まえ、総合的なバランス感で計画することが、これからの時代重要であろうと考えるのです。

ではその継続と拡散のアウター策とは何ぞや?次項でアウター効果のメディア・媒体をまとめてみました。

4. 【継続と拡散】が実現するアウター向け媒体・メディアはこれだ!

その周年記念アウター策は、社会・業界市場・顧客・求職者・一般のユーザーに加え、
当然インナーの社員・家族にも波及するということです。
あらゆるシーンでの効果が期待でき、ナルホド、アウターたる所以だな、と理解いただけると思います。
いずれも継続性と拡散性の両面を持ち合わせているのです。

01. コーポレートサイト

企業公式サイトという存在から、1年間程度の掲載で、継続的効果とともに様々なステークホルダーへの発信力は絶大です。TOPのファーストビューで周年ロゴを掲載すれば常に○○周年を強く訴求できます。

弊社の創立25周年記念のロゴを掲出したコーポレートサイトのTOPページ
同コーポレートサイト25周年SP版TOP

02. 周年特設サイト

上記コーポレートサイトの関連サイトとなる周年特設サイトです。後述周年ビデオをファーストビューに組み込み、ユーザーアクセスの度に自動再生させます。
特設サイトを立ち上げるほど、周年を大事にする企業姿勢を示すことができ、訪問者に共感を与える機会となります。当然サイトを運営する期間中は常に閲覧でき、継続性を発揮します。

●モニターのスクロールでページ全体をご覧いただけます。●
東亜道路工業株式会社様コーポレートサイト/社史特設サイト

『東亜道路工業の歴史』として、創業の〜1930年代から2010年代まで10年ごとに1ページとして10ページを割いた同社の足跡を表す年輪のヒストリー。最大の特徴は社史特設サイトとし、周年に関わらず常に継続的に掲載できること。さらにWebなので、新年度を迎えるごとに情報追加のアップデートをすれば済み、コストの最小化と共にリソースの有効活用になる。最早重厚な印刷媒体の社史本を超えた存在感。ページ内に埋め込まれた往時を捉えた活動写真的レトロ動画は、Web社史ならではの特徴として強く興味を唆る。
上場企業だけにその波及効果は大きく、株主・投資家、顧客、業界・競合、就活生・求職者、そして社員・家族等々、長年常に発信し続けるのだ。

03. 周年ビデオ

多目的ユースで効果を高めるメディアで、動画の尺は5分程度でも様々なシーンで流用できるのが特徴です。ただしビデオ単独では継続性はあるものの発信力はほとんど無いため、コーポレートサイトや周年特設サイトへの組み込みで、顧客・業界・株主・競合等様々なステークホルダーへの周知、展示会や企業説明会での会場再生で来場者への告知、採用サイト組み込みも求職者への認知を得ることができるのです。
一方インナー策としても周年記念式典での会場での再生にも活かせます。

04. 周年パンフレット

Webや動画と共にこの印刷物は『トライメディア(Tri Media)』、つまり弊社では3大メディアと位置付ける主力メディアです。この周年パンフレット、周年社史の重厚さを避け、8P〜20P程度の中綴じパンフレット仕様に収めると、ハンディタイプの手軽さから、営業パーソンの既存顧客配布、商談時の自社PR資料の一つとして、また採用活動で求職者にも告知できます。とりわけ営業パーソンによる既存顧客への手渡しは、顧客に自社を再認識してもらう機会となります。顧客によっては強いリスペクトさえ感じ、パートナー関係強化にも繋がることでしょう。
当然その手軽さは、さらに社員配布で家族への認知も広がり、アウター・インナー両面で拡散が図れるのです。重厚な社史とはトータルコストで大きな差となります。

45周年企業パンフレット

株式会社サンオート様の45周年会社案内兼周年パンフレット実績

もちろんインナーに留まることなく、むしろ顧客、新規ユーザー、求職者への配布が大きな拡散価値を持つ。少なくとも重厚な記念誌よりカラフルでビジュアライズされ、コンパクトにまとまられているため、手軽に簡潔に企業の創業理念や辿ったヒストリーがわかる。この程度であれば第三者でも目を通してみたくなり、多かれ少なかれ拡散効果はやはり一定以上であろう。

05. 周年ロゴ

周年事業で展開する全ての媒体やメディアのシンボルとなる周年ロゴです。周年発信の最前線を成す位置付けです。既に存在する名刺・封筒など様々な印刷物はロゴシールを作成し貼付することで広く告知が可能となります。

周年ロゴマーク

周年ロゴの弊社制作実績

左:二宮電線株式会社様60周年記念ロゴ、右:井上株式会社70周年記念ロゴ、企業キャラクターとともに70周年を祝う

06. 周年社史

弊社では決して周年社史を全否定するものではありません。もし企業の事情で社史づくりがマストの場合、ページボリュームや発行部数など必要最小限に留め、やはり並行して周年パンフレットをおススメします!何といっても、前述周年パンフレットのアウター・インナー多方面での拡散性・継続性の観点から、その差は歴然なのですから。

社史

明東京都の明治鋼業株式会社様|「100周年記念誌」実績

B5サイズ40ページで周年記念誌としては比較的コンパクト。エージェントや新聞社系のゴージャスな社史よりは、大きく制作コストは削減できる。むしろ弊社のデザインクオリティの方が、企業ブランドイメージをしっかり伝えられる。

07. 新聞・業界誌広告

全国紙での周年広告出稿ですが、3つの点で弊社ではお勧めしていません。1点目は高額な広告費です。2点目は発刊きりの掲載で瞬間発信、3点目は新聞発行部数の激減で認知レベルが大きく減少。ついでにもう一つ言うと、上場企業や知名度ある企業の周年広告であれば、百歩譲ってまだマシ、況(いわ)んや知名度のない中小企業は殆ど効果ナシと言わざるを得ません。
一転、企業が所属する業界や協会などの機関誌広告であれば、購読者は直接競合やクライアントサイドの企業。利害関係のレベルはかなり高くなり、良くも悪くも広告出稿により一定レベルの反響はあるでしょう。

新聞広告

明治鋼業株式会社様|創業100周年記念の業界新聞広告全面出稿実績

前項、周年記念社史に関連した新聞広告。業界新聞なので、業界関係者、クライアント企業への発信となり、かなりコアなユーザーへ、濃いPRとなる。

08. 交通広告

もし予算的な許しがある場合、筆者のおススメは空港ターミナル内広告、鉄道ターミナル広告。構内で往来するビジネスパーソンや旅行者へのアピール度は意外とあるのです。しかも一定期間を掲出しても広告コストは新聞広告ほどではない。筆者も空港ターミナル内で時折目の当たりにします。地方企業の広告面の中に、周年ロゴが鎮座しているのを。

5. 少し発想を変えればインナー・アウターのダブル効果

いかがでしょうか?いかに周年従来方式の大掛かりな記念式典、上製本の立派な周年社史が、
内向きで、その場限りの波及効果が無いことがわかったと思います。
「イヤイヤ、そもそも周年事業は会社の誕生祝いだから、内々の行事でいいのだ!」といった声も聞こえてきます。
もちろん筆者もそれはそれで尊重するし、そう割り切っているなら結構でしょう。

しかしながら、少しだけ発想を変えて、
従来方式の記念式典や上製社史の規模・仕様を少し落として、その分を上記アウター向け媒体・メディアに振り当てる。
もしくはこの際全てアウター向け媒体・メディアに切り替える。
どうでしょう、前項でも語った通り、いずれの代替策においても、インナー・アウターのダブル効果が見込めるのです。

さらにです!お待たせしました。極め付けはそれらにかかるコストや如何に?
大トリ、次項で当記事のクライマックスとなるコスト比較をやってみました。
鬼が出るか?蛇が出るか?

6. コスト徹底比較!《インナー vs アウター》

では早速「インナー中心の周年記念」情報発信型「アウター中心の周年記念」を2パターンでコスト比較をしてみましょう。
パターン①が比較的小規模レベル、パターン②は中・大規模レベルとお考えください。
全体での相場感、単品でのコスト感では如何程か?というところで参照してください。

パターン①
インナー中心の周年記念 アウター中心の周年記念
周年ロゴ 50万円 周年ロゴ 50万円
記念式典 参加者100名・飲食・運営・ギフト 300万円 周年動画 10分程度 150万円
上製社史 100ページ100部 500万円 周年サイト LP 100万円
周年動画 尺10分程度 150万円 周年パンフレット A4|12ページ500部 150万円
社内ツール 記念品・ポスター 100万円 業界紙広告 A4|1ページ 100万円
社内ツール シール・ポスター 50万円
合 計 1,100万円 合 計 600万円
パターン②
インナー中心の周年記念 アウター中心の周年記念
周年ロゴ 50万円 周年ロゴ 50万円
記念式典 参加者300名・来賓・飲食・運営・ギフト 700万円 周年動画 10分程度 150万円
上製社史 200ページ300部 1000万円 周年サイト 5ページ構成 200万円
周年動画 尺10分程度 150万円 周年パンフレット A4|20ページ500部 300万円
新聞広告 全国紙朝刊5段 600万円 業界紙広告 A4|1ページ 200万円
社内ツール 記念品・ポスター 200万円 交通広告 羽田空港内の電飾看板広告2ヶ月 250万円
社内ツール シール・ポスター 50万円
合 計 2,700万円 合 計 1,200万円

主たる要件・媒体・メディアのラインナップでシミュレーションしてみました。
それぞれの金額は、あくまでも筆者の経験的な相場感であり、仕様による整合性もきちんとはとっていないため、
飽くまでもアバウトなイメージとして捉えてください。ただ、実態と大きくはかけ離れてはいないと思います。

結論、この記事で縷々述べてきた効果の継続性や拡散性と共に、コストの差はここにきて歴然!
圧倒的に外向きの「アウター中心の周年記念」に軍配が上がることになったのです。

しかしながら、だからといって筆者は「アウター中心の周年記念」にすべき!といった牽強付会けんきょうふかいな発言はしません。
このような実態を知って、では我が社はどうするのか?
どちらを選択するのか?それとも両方をハイブリッドでやるか?はたまたイイトコ取りのピックアップでやるのか?
このコスト比較を参考に、周年記念をどう位置付け、何を狙いとして、さらに予算は如何程とすべきか。。。
是非とも企業で検討する機会としてください!

<執筆・編集|メーソン>


↓↓↓これから周年記念の計画に入る、この機会に一度見直したい、といったご要望があればご相談ください。↓↓↓