会社案内の構成・内容例《ユニークなアイデアを事例で解説》
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「会社案内の構成・内容例」、
当記事タイトルの前半は何となく堅苦しい。。。
でも後半は、「ユニークなアイデアを事例で解説」、
これはオモシロそう。
好奇心で後半から読み始めたとしても、
是非!前半も “読み戻して” いただきたい。何故なら、
会社案内の構成・内容に関し、
決定付ける要点を握っているからです。
1. 会社案内の位置付けは “コンサバ” であるべき
オーソドックスな会社案内の構成要素となるコンテンツ、つまり情報内容はとてもコンサバなもの。
それは商品やサービス情報で構成され、戦略性や個別の用途・目的を対象としたパンフレットやカタログとは異なり、
信用性や多目的性を重視すると言った、企業のオフィシャルメディアであることに起因します。
つまり製品のパンフレットなどでは、営業活動や商談において、
ダイレクトにリード(見込み客)の意思決定に作用させることを担うメディア。
そのため商品や対象企業によっては、情報やデータにエッジを効かせたり、奥深いディテールネタに言及したり、
多様性や特異性を発揮しますが、会社案内は然に非ずです。
しかも、印刷媒体たる会社案内は、その紙面構成は限られています。
同じ存在の企業のオフィシャルメディアのコーポレートサイトとも、少々そのポジショニングを異にするのです。
2. 会社案内の一般的な構成内容を知っておこう
ではそのコンサバな会社案内の構成・内容に関し、一般的な情報構成、コンテンツの例を以下に取りまとめました。
上場企業であれば、この限りではなく、何らかIRやCSR系情報が必要ですが、ここでは未上場企業を対象とします。
事業内容 | 事業領域が複数ある場合、それぞれに分け詳細に説明 | |
事業の特徴・強み | 会社案内のメイン情報として、可能な限り紙面を割き詳細に掲載 | |
事業ビジョン | 将来目指す成長戦略や社会貢献性・数値目標のビジョン | |
取扱い商品(製品・サービス)情報 | パンフレットやカタログではないため、仕様・諸元の詳細は不要だが、差別的優位性や社会的価値に言及 | |
会社概要 | 顧客の信用・信頼を獲得するに値する基本情報は必須 資本金、役員構成、拠点情報、所在地等は特に重要 |
|
拠点情報 | 支社・工場・研究所・営業所等、拠点を写真入りで紹介 | |
主要取引先実績 | 企業名で公表 | |
沿 革 | 創業から年代別のマイルストーンを一覧掲載 | |
組織体制 | 社長・役員・傘下の組織体制のオーガニゼーションチャート | |
代表挨拶 | 会社案内の存在意義からして、信用や信頼を得るに足る、顧客・ユーザー・リードへのメッセージ性を高める | |
役員紹介 | 代表含め顔出し・プロフィールなど詳細に | |
社会貢献 | CSRや環境活動の情報 |
これらを全て掲載することがベターですが、
赤二重丸の項目は最低必須情報として紙面を構成しましょう。
その内「代表挨拶」は一応二重丸ですが、筆者の見解として、心を込めた代表者の熱いメッセージはまさに二重丸で必須ですが、
通り一遍のつまらない “ご挨拶” であれば不要。読む気もしないし、紙面の無駄遣い!
代表挨拶がその程度になりそうなら、
むしろ主要取引先や沿革を充実させることの方が有益。新規ユーザーや顧客は、むしろその重要性に優先度を高く持っているのです。
3. 使用目的や対象によって構成内容は異なるべき!
とは言え、十把一絡げでオールマイティに須く前述の構成・項目にすべき!ということではありません。
此は如何に?
それは企業の業界・業種、製品・サービス、顧客ターゲットなど、
そして上場・非上場によって会社案内の構成は異なって然るべきでしょう!
例えば上場企業であれば、IR情報として株主や投資家へ向けたメッセージ、成長戦略の掲載。
士業、建設業、製造業など業種的特徴によって公的資格情報の掲載。
社員採用を兼ねる会社案内の場合、組織・部門紹介やそこで活躍する社員紹介記事、等々。
会社案内で掲載すべき構成要件はこれだ!といったようなステレオタイプの決め付けは、
市場において企業の公式メディアたるミッションを果たすことは困難だろうと言えるのです。
4. おススメの構成要素・内容例を事例交え紹介
では会社案内のコンサバなテッパン情報から一歩踏み込んで、
企業の付加価値を高める構成要素、
また、業種や事業内容によって求められるコンテンツなどにスポットを当ててみたいと思います。
01. ミッション・ビジョン・バリュー
このミッション・ビジョン・バリューのルーツは『経営理念』。
経営者の理想を実現させるための具体的な行動・意思、またそのゴールを達成した自社や社会の理想の姿を描き、
これらを統一概念として社員の行動規範とする取り組みです。
何を、何処をゴールとして、どのようにその理想を達成しようとするのか?
崇高な企業活動の根源を会社案内で表現することは企業の付加価値を高めると言えるでしょう。
- ★ちょっと蘊蓄★
- 因みに、似て非なるもので『企業理念』がありますが、これは企業が創業から目指す普遍の価値観や考え方を示した概念で、企業が存続する以上不変ですが、経営理念やミッションは経営者によって変化するものです。
02. 企業ヒストリー・創業時のエピソード
会社案内では「沿革」にて、創業から時系列でサラッと掲載されるのが一般的。
やはり企業の生い立ち、直近までのエピソードを掲載するのは、必須項目として挙げていましたが、
そこをサラッとからもう一歩も二歩も進めて、少々ディープに、しかも紙面を贅沢に使うとなれば、
会社案内の価値をグッと高め、企業プレゼンスを引き上げることに貢献できるでしょう。
ただ制作費とのご相談にはなるでしょうが、様々なビジネスシーンでしっかり効果を出してくれることを実感でき、
数字に表せないコストパフォーマンスが期待できるでしょう。
03. サスティナビリティ
CSRリポートまでの広く深い情報は不要ですが、自社の方針と取り組み概要を掲載します。
またSDGsの企業の持続可能な社会の発展を目指す取り組みとして、
「17の開発目標・169のターゲット」の中から定めた企業が目指すゴール、
達成するビジョン・方針を会社案内で示すのです。
04. 社員【開発者・エンジニア】のメッセージ
特に製造業や情報システム企業など、自社の主力製品の開発者、システム開発のエンジニアなど、
開発の経緯、製品・サービスの有用性、さらに未来に向けた発展性など。
標準で代表者メッセージはごくオーソドックスな構成要素ですが、
社員までフォーカスすることは、稀有なケースとして強い差別性を持つこととなります。
特に会社案内対象者が技術者やエンジニア、また採用など多目的性を視野に置いた構成は、
“マルチタスクブローシャー” として価値ある存在になることでしょう。
5. ユニークなアイデアの構成内容を事例交え紹介
では最後に会社案内で必須項目、つまり “事業内容” や “事業の特徴” でありながら、
表現方法や解釈のあり方に一風異なる工夫を凝らし、普通ならスルーされてしまいそうなところを、
“へ〜、ナルホド” 、 “そう言う変化球で来るか” といった塩梅で、
ユーザーやリードの懐に飛び込んでいく、または記憶に強くインプリンティングする。。。
ユニークなアイデアを弊社制作実績でちょっとだけご紹介してみます。
01. 【実績を公表できない企業の離れワザ】|株式会社グラビアジャパン様:会社案内
んーー?何これ?会社案内?
掲載されているのは、スーパー、コンビニの店頭で売られている商品のようだが、ううう、何かが違う。。。
よーく見てみると、包装材に印刷された文字が、ナント!商品名ではなく、コピーやメッセージ。
「信頼と実績」「課題解決」「Speed & Quarity」とな。どれも事業の強みと、公表が困難な実績ではないか!
軟包装用のグラビア印刷を手掛ける企業の会社案内なのだが、普通に信頼や課題解決やといってもスルーされてしまうところを、
ちょっとした捻りワザで、思わずオモロい、と言わしめてしまう印象付け、まさにインプリンティング!
ところで、バームクーヘンのコピーに “幾重に重ねた” とは、座布団2ま〜い!
02. 【伝わりにくいワザを本体形状で視覚化】|株式会社Symmetry House様:会社案内
ナッ、ナント!宮大工の『婆娑羅継ぎ』を会社案内の表紙で再現!
建築物の日本伝統技法とされるこのワザを、事もあろうに神聖なる会社案内で表すとは、何と言う狼藉!
ムムム、曲者?イヤイヤ滅相もござりませぬ。
知る人ぞ知るワザ、住宅建築の専門筋がこの表紙を見ると、間髪入れずこの企業、只者では無いと分かるほど。
このような伝統ワザをも心得る、同社の際立つ強みを会社案内で表現したものだから、そりゃあもう大騒ぎ!
ただ弊社のクリエイターもヤリ過ぎだろ!とは筆者。いいえ、同社代表は大絶賛、顧客の評判も頗るエモーショナル。
イヤハヤ、この評価のお言葉に筆者は溜飲を下げることができました。
03. 【社長同士の名演技が事業の本質を抉る】|アルファテックス株式会社様:会社案内
「当社のシステム構築をお願いします。」との顧客オファーに、
「私たちはシステム会社ではありません!」と同社は言い切った。
「。。。」う?と無言で眉を顰め、少し怪訝な面持ちの顧客。
ところがその沈みかけた空気が一変するが如く、
「私たちを信じて身をあずけてください!御社にとって最適な結果へ導きます。」
と胸を張って高らかに言ってのけたのでした。
実はこの一連の件に、同社の事業スタイルや特徴・強みが潜んでいるのです。
同社は企業経理の業務効率化を目指すITインテグレーション企業。
業務改革上必要であればシステム開発も手段。そのためシステム会社と誤認されることも屡々。
つまり本会社案内で「システムは手段であり目的では無い!」「業務効率化の先にある事業発展が本丸!」と声高に訴え、
それを実際の顧客社長と同社代表のお二方の演技で構成したのです。
コミカルなタッチであるも、至って見事なほどに事業の本質を定義した。
あの怪訝な表情だった顧客の社長が、最後には満面の笑みで「仕事が楽しくなってきた。」と、
会社案内での名演技はエンディングを迎えたのでした。
その作品全貌を以下のバナーからご覧ください。
あと書き
会社案内の構成と内容、ちょっと堅苦しいテーマでしたが、
少しだけ捻りを加え、見る角度を少々変えるだけで、
事業によっては外からは見えにくいのに、分かりにくいのに、
一気に濃霧が晴れたように晴れやかになり、その明快さに腹落ちする。
やはり事実を事実の通り、ファクトだけで語っても、
その先にある業界での差別性、社会的有用性、さらにブランドイメージを伝えることはできないのです!
それがユーザーにきちんと伝えることができなければ、
その会社案内の存在価値はありません!筆者はそう言い切ります!
特に「5. ユニークなアイデアの構成内容を事例交え紹介」の出色3事例は、
僭越ながら、難解・不明瞭な事業の咀嚼や見える化をし、
そこにユーモアやウィットのセンスを加え、ありとあらゆるユーザーに事業の本質をクリアにすること。
これは広告クリエイティブの担い手たる弊社のミッションであり、
会社案内の制作依頼を請けた顧客へのプロミスなのです。
もしこんなエクスペリエンス=体験を希望される企業のご担当がいたら、
こそ〜ッ、とご相談・お問い合わせしてみてくださいww
<執筆・編集|メーソン>