三つ折りパンフレットの効果的な作成方法
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意外に優れものの『三つ折りパンフレット』。
しかし戦術無しにコンテンツをきれいにページ割りしただけではダメ!
そこにちょっとだけ三つ折りの個性を活かすと、
その優れものたるワケがわかってきます。
1.「三つ折り」「巻き三つ折り」「片観音折り」
「三つ折り」
実は結論から言うと、
「三つ折り」も「巻き三つ折り」も「片観音折り」もほぼ同じ定義です。
どれも印刷工程後に専用の折り機にかけ、折り加工を施しますが、
全て同じ仕上りとなります。
といっても皆さんにおかれては、イメージしづらいと思いますので、
例を上げてご紹介すると…。
例えば全て折り畳んだ仕上りサイズがA4規格とします。
この折り畳まれた状態からまず表紙を開くと、
A4サイズでページが横二面に並ぶ見開き展開となります。
その際、二面の一方の向かって右面が折り込まれた姿になっていて、
さらにその面を開くと、A4サイズでページが横三面に並び、フルオープンになります。
つまりフルオープンで三面になるように折りを入れて仕上げるため、
これがいわゆる「三つ折り」たる所以と言えます。
「巻き三つ折り」
2番手の呼び名の「巻き三つ折り」の由来は、
ファーストオープンで表紙を開くと、
右面が折り畳まれた姿になっていると述べましたが、
言い方を替えると、ちょうど巻き畳まれたスタイルになっていることから、
「巻き三つ折り」と言っているようです。
「片観音折り」
3番手の呼び名です。
これは「観音折り」がベースです。
観音折りとは、お仏壇などの観音扉を想像してくみてださい。
扉を閉じた状態で、最初はまず扉真ん中から両面開きとなります。
開いた左右それぞれの扉には、第二の扉が畳まれており、
蝶番(ちょうつがい)、つまり折り箇所でさらに開くようになっています。
これでフルオープンした扉の面は全部で四面になりますが、
これが「観音折り」たる所以です。
そしてこの観音扉の左扉を一面除けば三面になり、
これを片方だけの観音扉、つまり「片観音折り」ということになります。
実は前述の通り、
「三つ折り」「巻き三つ折り」と全く同じですよね。
2. 三つ折りパンフレットの特徴
コンパクトな使い勝手の良さ
いずれにしても、
表紙を含めオモテ三面・ウラ三面のトータル六面構成、つまり6ページとなり、
コンパクトな割りにこの面数の多さは、
意外と使い勝手がいいんです。
この三つ折りパンフレットの大きな特徴でしょう。
同じA4サイズでもA3を二つ折りにした仕上りA4サイズでは四面で4ページ。
A4ペラ(リーフレット)では両面2ページです。
もちろん前述の観音折り(両観音)パンフレットでは八面で8ページにもなりますが、
これは本題から外れますので今回は言及を避けます。
次に結構ドラマチックなストーリー展開ができることです。
後ほど言及していきます。
またA4サイズ自体を三つ折りにすると「三つ折りリーフレット」となります。
厳密にはパンフレットではなくリーフレットの分類ですが、
これもなかなかの優れものでして。
ただこれも少々本題外ですので、
今後のBLOGテーマとして改めて。
営業・商談で発揮する『折りのマジック』
綴じることもせず、
1枚の用紙を2回の折りだけ織りなす六面スペック。(別にシャレではない)
限られたリソースとシンプルな加工のこの三つ折りは、
とても機能的な側面を発揮します。
実はこのことが営業活動や商談シーンで大きく活躍するのです。
そのポイントを握るのが『折りのマジック』。
以降で弊社実績を例に、その検証を加えていきたいと思います。
商談の突破口をスピーディに演出
例えば製品パンフレットにすれば多数のページを要するほど、
製品やサービスの情報が大量で複雑な場合、
それを的確に要約し、簡潔にまとめ上げ、
六面構成にうまく配分できれば、新規の営業・商談に強い機動力を持ちます。
もちろんその内容は、
営業活動や商談用にチューニングしたコンテンツであることが前提です。
つまり商談の冒頭から広大な森の木を一つひとつ詳細に説明していくより、
まず森全体を俯瞰的に簡潔にオーバービューさせ、
商談相手に全体像をつかんでもらい、
「なるほど、いいねェ、じゃあ詳細を聞かせて。」
ともって行く。
あとは詳細な公式パンフレットや総合カタログ、社内手作り資料で説明を進める。
このように情報量が多い、カテゴリーが複雑といったケースだけでなく、
スピーディな展開を求められる展示会の立ち話でも、
この三つ折りの六面構成は突破口を作りやすくなります。
これはとりもなおさず、
最大限情報量の多さを確保できる『折りのマジック』と言えるでしょう。
形状と開くプロセスを活かす
またこの折りのマジックと、順追って開いていくプロセスを利用すると、
三つ折りという形状を利用し、コンテンツに順序だった自然な流れをつくることができます。
下画像の実例をご覧ください。
船舶エンジンの管理システムを開発・販売している企業の製品パンフレットです。
このシステムには7点の特徴やメリットがあり、
それを四面使って巧みにページ配分しました。
つまり1〜7までの各項目にナンバリングし、
それを表紙を開いたファーストオープンの左に項目1、2を置き、
折り込まれた右ページに項目3、4を置いたわけです。
次の項目5は項目3、4を開いたセカンドオープンのセンター面に配置、
最後にその流れでフルオープンの右面に項目6、7を配置しました。
いかがでしょう?
開いていくと1から順番通りに7項目を読んでいくことができるという、
読み手の開くアクションだけで、
提供側の意図が自動化されて伝播されることになります。
ダイナミックなビジュアル
さらにこの『折りのマジック』で実現できるのが、
三面フルオープンでインパクトのあるビジュアルを表現できます。
特に三面で連続する図案やフローチャート、三面打ち抜き画像などを配置すれば、
それはもうかなりのド迫力!
A4リーフレット、二つ折りA4/4ページ、中綴じ(8,12,16….)などより、
ダイナミックな表現力を可能とします。
これもつまり『折りのマジック』の成せるワザでしょう。
ストーリー性
次に象徴的な特徴として忘れてはならないものに、
折りを開いていくと得られる”流れ”、言い換えるとコンテンツのストーリー性です。
何度も出てくる表現ですが、
表紙を開きファーストオープン、
そこには見開きで現れる二面。
次に折り込まれた右面を開くとセカンドオープンで三面全開。
これに”デフォルト”として表紙も含めると3ステップとなります。
実はこの3ステップ、
【表紙】→【ファーストオープン】→【フルオープン】と順追っていけば、
事の展開やプロセス、つまりドラマチックな”起承転結”を表現しやすくなります。
例えば表紙でフックとなる問題を提起し、
セカンドオープンでその問題点の具体的現象、
言うなれば「あるある」的なケースに言及。
そしてフルオープンでその解決のための手立てや対策を提示。
その結果問題解決が図られ、得られる効果やメリットを紹介する…
といったように一定のストーリー展開を、
ページを順にめくるという、人の本能に基づく自然な流れを利用して、
コンテンツをページネーションしていきます。
(誰が教えなくても!人は表紙から順に開き、三面にたどり着く。)
このスタイル・構成は、主に手短かに相手に大枠を理解させたい、
或いは馴染みの無い製品やサービスを簡潔に伝える等、
結果的に前述した「商談の突破口をスピーディに演出」、
ということにも直結します。
下の実例は、
実は「観音折り」、つまり”四つ折り”ということになりますが、
言わば三つ折りとは兄弟分ですので、
イメージだけ掴んでいただきたいと思います。
しかしながら、
このフルオープンでは表紙含め六面中、五面の範囲です。
あと一面はどこや?
実は何とウラ表紙なんです。
ここをどのように使うかは各論ありきなんですが、
あまりこだわらなくていいかとも思います。
なぜなら企業情報や仕様諸元等を記載する面であることが多く、
言い方を変えれば、間接情報であることが多いんです。
でもその実必ずしもネガティブスペースとは考えず、
思い切ってこのウラ表紙まで使って六面フル活用、
というのも十分トライする価値はあると思います。
3. 会社案内としてもいける?
これらのように、この三つ折りタイプのパンフレットは、
折りのマジックにより、
機動力の高い、すばしこさがウリだということがお分りいただけたと思います。
タッチアンドゴー的な正面突破をすれば、
それにてお役目御免!といった存在でもあると言えます。
それだけに企業の根幹に関わる企業理念、事業哲学、
またビジネスモデルや企業概要などを語る、
重ったるいミッションをはたす「会社案内」としての用途は、
その適性からするといかがなものか?といった感は否めません。
いわんや弊社において、
「三つ折り会社案内」はお客様にあまりお薦めしていない!のも事実です。
しかしながら、
須らく我々の考え方や概念を押し付けることは危険なこともあります。
そのようにカタチに囚われることの方が予定調和として排除されるべきです。
従ってお客様の強いご要望で、
どうしても三つ折り会社案内だ!
という場合でも、
「さもありなん。」として、
むしろ積極的に三つ折り会社案内としてどう最適化すべきか?
ということに知恵や工夫を凝らす事が、
我々の務めであると考えるのです。