採用ツール-6

【採用ピッチ資料】と【各種採用ツール】を賢く使い分けるワザ!

ここでは『採用ピッチ資料』単独で見るのではなく、
採用ツール全体を視界に置き、
相対的視野で客観的な考察を加えていきたいと思います。

採用ピッチはマルチタスクプレイヤーではありません。
採用活動のあらゆるシーン、適材適所で、
【採用ピッチ資料】と【各種の採用ツール】を使い分けることが、
賢い人事採用担当者のワザなのです!

当記事に関連する、
『採用ピッチ資料づくり【心得5項目】と【構成要素5項目】』
と合わせて活用ください。⬇️⬇️⬇️

1. 採用メディア・採用ツールの中の採用ピッチ資料

『採用ピッチ』含む採用ツール、採用メディアは様々あれど、
その役割、使うタイミングは大きく異なります。
早速ですが、ここで各種採用メディア・ツールの中での採用ピッチ資料のポジショニングを、
以下の表にまとめてみました。

採用メディア・ツール
役割・効果
使用タイミング
採用サイト PC・スマホ・タブレットで常に情報発信。ミニマル情報の採用LP、採用専門サイトになると情報量はほぼ最大化が可能 通年発信
採用パンフレット ポータビリティさを維持した紙面の構成上、情報量は限られるが、ハンディさは他の採用メディア・ツールを圧倒する 企業説明会・合説時の手渡し、DLも対応
会社案内 完全採用ユースではないが、特に昨今学生の企業理解が乏しい状況には効果的、ミスマッチや辞退防止の効果が期待 企業説明会・合説時の手渡し、DLも対応
採用動画 企業説明会や合説で威力を発揮、エモーショナル性や情報量の多さは他のメディアを凌駕 企業説明会・合説時の視聴
企業説明会ビデオ コロナ以降オンライン説明会に威力を発揮。説明会オンタイム以外、何度も再生でき、個別対応にも自在に活かせるのが強み 企業説明会・合説時の視聴
内定者ガイド 内定通知後に企業理解を深め、以降入社までのスケジュール、心得を伝えるガイダンス。辞退防止、定着促進に活用 内定通知後の配布
採用ピッチ資料 情報の質・量ともに、採用メディアの中では最大化できる可能性を秘める。アグレッシブな表現や、公開していないレア情報・機微情報発信も特徴。求職者へ自社の売込みというスタンス 臨機応変、採用サイトDL、インターン時有力者へ配布、企業説明会配布

これで『採用ピッチ資料』を相対的に見ることができると思います。
そうです。採用ピッチはすぐれた採用ツールですが、
やはり過剰な一点張りの思考ではなく、
冒頭タイトルでも語っている通り、
やはり採用ツールや採用メディア類のそれぞれを適材適所、取捨選択して賢く使い分けることが、
採用・人事担当者として大事な思考であろうと思います。

2. 「採用ピッチ資料」と「採用パンフレット」の比較

では印刷物とデジタル資料との違いこそあれ、
ページものメディアとして、『採用ピッチ資料』と比較的似ているメディアとして、
『採用パンフレット』と『採用ピッチ資料』を様々な指標で比較してみましょう。

比較要件
採用パンフレット
採用ピッチ資料
フォーマル性 採用サイトと共に、メディアとしての企業の公式性は最も高い ●公式性は採用パンフレットより低い
●インフォーマルな使い方が主流(内容に虚偽があるのではない)
制作〜クリエイティブ ほぼ以下の業者に全てを発注

  • クリエイティブ制作会社
  • 採用コンサル会社
  • 広告代理店
  • 採用ナビ会社
ほぼ以下の方法で作成

  • 内製が多く、必要に応じ外注も使い分け
  • 自社内(人事・採用部署)で基本情報を作成し、クリエイティブを外注
  • 全てクリエイティブ制作会社、採用コンサル会社に委託
  • 全て内製
データ形式 印刷用データとして、Adobe IllustratorやIndesignでのDTP・グラフィックが必要なので、専門知識が無いと一般ビジネスパーソンでは無理 PPTやビジネスソフトで作り込むため、ビジネスパーソンで完結可能
装丁・ドキュメント形式 ほぼ印刷・製本加工し、一般的には冊子形式で使用 ●ほとんどがPPTやPDFのデジタル使用が中心
●必要に応じてプリントアウト
管理方法 冊子現物として在庫保管 ●Webサイト上にデータ保管
●企業サーバ上、ローカルPCに保管
ページボリューム 4ページ〜20ページ程度 20〜50ページ、さらにそれ以上
掲載情報 比較的ビジュアル要素が多く、インフォグラフィックや多彩カラーリングで演出

  • 社員やオフィス内の写真、写真ギャラリーやイメージカットを多用
  • 社員対談・インタビュー、社内活動等がメインになることが多い
  • 給与などの待遇面の情報は少ない、乃至はほとんど無い
以下一部抜粋して列記

  • 給与テーブル、昇進・昇格制度、退職金制度、福利厚生制度、キャリアアッププラン、社内提案制度、その他人事・雇用待遇に関する情報やデータを開示
  • 求める人材像、採用ポジション、選考方法、選考フロー
  • CI、企業ブランド、経営理念・ミッション・ビジョンを詳説
  • マーケットや業界での存在、シェア
  • 自社の強みのみならず、弱みにも言及
  • 成長戦略、事業ビジョン、目指す目標や社会貢献、その他
情報の統合性 ●紙媒体のため他のメディアとの統合や多様性は無い
●さらに詳細を見せたい場合、紙面にQRコードを配置しておきサイト誘導は可能
●基本デジタル形式なので、ドキュメント上でアニメーションや動画配置が可能
●配置している動画再生では、視聴覚による情報提供が可能
使用タイミング ●比較的初期の広報活動時期が中心
●企業説明会、合同説明会、インターンシップ
●説明会、参加者限定セミナー、個別面接等、企業と就活生が一定以上のコンタクト後の使用
●初期で縮小版をフリーダウンロード、ES提出後や面接後に正式版使用
●インターンシップ参加時点でドキュメントにて配布
更新性 次回リニューアルや増刷までは現状維持 ●情報変更の都度、逐次更新
●常に最新情報が維持できる

3. 採用ピッチ資料とベストマッチング

01. マッチングが必要な理由は?

メディア・ツール同士の比較や、それぞれのメディア・ツール単独の位置付けを踏まえ、
採用ピッチ資料と相性の良い各種採用メディア・採用ツールとの組合せ活用について、
弊社独自の視点でその有用性を解説します。

前述の通り、採用ピッチ資料は採用活動シーンにおいて、
全ての段階、シテュエーションにてオールマイティかと言うと、答えはNoです。

またいかに理想的、模範的な採用ピッチ資料であっても、
採用ピッチ資料の個別性、限定性の存在からすると、また信頼性の観点からすると、
残念ながら公の場で、企業の代表格としてのオフィシャル性は限定的です。

従って、会社案内やコーポレートサイト等、企業の公式メディア・公式ツールと組合せが、
お互いの長所・短所を補完し合ってうまく機能することを実現でき、
このベストマッチングな方法を使わない手はないのです。
その場合、採用ピッチ資料は、必要に応じてプリントアウトすることも選択肢です。

では「会社案内」「コーポレートサイト」「採用サイト」「採用パンフレット」の順に、
ベストなマッチングのワザを紹介します。

02. 会社案内とのマッチング

会社案内&採用ピッチ資料のイメージ

まず採用ピッチ資料と会社案内のマッチングです。
何と言っても会社案内の強みは、企業の広報メディアとして最上位に位置します。
そういう意味では企業が提供するメディアとしては、
対極の関係にあるとも言え、むしろその公式度の違いが、
かえって情報の幅広さと心理的な信頼性の面で、企業理解を深め、企業イメージ向上に繋がるのです。

その場合の採用ピッチ資料は、プリントアウトし、綴じ込んで、
会社案内とセットにして使うこともオススメです。
もちろん会社案内は企業公式メディアとしての品質、品格を、
キッチリ備えておく必要があることが前提となります。そうでない残念な会社案内の場合、
リニューアルしてパワーを持たせておく必要はありそうです。

会社案内と採用ピッチ資料の一歩進んだマッチング
会社案内に資料などを収納できるポケット加工を施しておき、そこにプリントアウトした採用ピッチ資料を収納して、就活生・求職者に渡します。
これにより前述したダイナミックな対極の情報提供を、両者一体化させて提供できることとなるのです。

03. コーポレートサイトとのマッチング

コーポレートサイト&採用ピッチ資料のイメージ

コーポレートサイトも企業公式メディアとしては最高峰に位置します。
学生が採用ナビや企業紹介メディアを通じて、企業と最初に出会うのが、コーポレートサイトです。
もちろんこのコーポレートサイトの品質を研ぎ澄ましておくことを前提に、
サイトを通じて、採用ピッチ資料を提供するスキームです。
サイト内の採用情報ページに採用ピッチ資料のダウンロードを案内しておき、
学生には情報登録、もしくはES提出を義務付けダウンロード権限を与えるものです。

その際初期のダウンロード版は簡易版としておき、
ES選考時点ではより深みのある正式版を付与するという段階方式も、
学生のインタレストや好奇心を徐々に高めていくのに効果的です。

04. 採用サイトとのマッチング

この採用サイトも採用ピッチ資料との相性は抜群です。
それは言わずもがな、採用専門のWebサイトから採用ピッチ資料のダウンロード申請です。
この組合せでいく場合、事前に一定の役割分担を画策しておくと良いでしょう。

それはビジュアルやイメージ中心の採用サイト、
つまり社員、オフィス、社屋などの画像やフォトギャラリーを中心とした採用サイト。

一方、深掘りした詳細な雇用情報、
企業や雇用の様々なデータを網羅した採用ピッチ資料。

つまりビジュアル情報と機能情報という、
『機能美』を兼ね備えた理想的な採用メディアのマッチングなのです。

05. 採用パンフレットとのマッチング

採用パンフレット&採用ピッチ資料のイメージ

前項で採用ピッチ資料と、この採用パンフレットとの比較を行ったことで、
その歴然とした違いをおわかりいただけたと思います。
さはさりながら、これをマッチングさせようと言うのですから、
言わば“呉越同舟”的様相を呈している…
なァ〜んてことはありません。両者の違いを示せばナンボでも出せるもの。

ここはその違い、長所・短所を相互に補完し合う“友好善隣”でいくのです。

それは会社案内と採用ピッチ資料や、
採用サイトと採用ピッチ資料とよく似た関係性があります。
つまり視覚的要素を中心にした採用パンフレットと、
機能中心の文字情報や数値データで構成された採用ピッチ情報。
これらを巧みにマッチングさせることでの学生への刷り込み、アピール力の程は、
他のメディアでの組合せに匹敵するものと言えるでしょう。

4. あと書き

採用ピッチ資料は、それ単独で語られることが大半ですが、
当記事では採用メディア・採用ツール全般を捉え、
それらの中における採用ピッチ資料を客観的に俯瞰的に眺めて見ました。
つまり“One of them”の視点ですね。

その中にあって、
かなりの人事・採用担当者の方、この採用ピッチ資料づくりは自前で行い、
採用メディア群をどう組合せするかも、自前で行うのがほとんどだと思います。

実はその採用ピッチづくりも、
それらの組合せも結構残念な状況になっていることが散見されます。

そこで不安を生じた場合や、そこまで言うなら一度具体的にお手並拝見。
という面持ちになったら、一度弊社へご相談いただければ、
さまざまな角度からソリューションの方策を示唆させてもらいます。
無料相談室もオンラインで開設していますので、ぜひご利用ください。

執筆・編集|メーソン