採用ピッチ資料の作り方【心得5項目】と【構成要素5項目】
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採用ピッチ資料づくりにあたって、
どのようなテーマやメニューで構成するのか?
その【5項目の構成要素】について、
引用しやすいよう、一覧表で箇条書きにしました。
また一方で、採用ピッチ資料づくりの際に、
心得るべき【5項目の要素】を簡潔にまとめました。
ぜひ採用ピッチ資料づくりの一助にしてください。
1. 採用ピッチ資料づくりの【心得5項目】
初めて採用ピッチ資料をつくる場合、
また既存のピッチを全面作り替えをする場合の要点5項目です。
まず採用ピッチ資料づくりのコンセプトや全体設計を描いておきましょう。
- 学生への企業の売込みのための資料であること
- 学生に齟齬なく誤解なく咀嚼したコンテンツであること
- 公式制作物では語らない情報・データは積極的に開示しよう
- 企業の基本情報は会社案内・企業サイトのそのまま転記ではダメ
- 採用ピッチ資料は採用メディアの一つ、適材適所で使い分け
つまり学生へ自社を強力に売込むための、強い影響力を及ぼす採用戦略資料。
オモテに露出している公式な企業情報のみならず、
学生目線でインタレストを刺激する潜在ネタを仕込み、
それを専門的になり過ぎないよう、錯誤を伴わないレベルで咀嚼し、情報構成し、
深い企業理解につなげる。
さはさりながら、採用ピッチ資料が、全採用メディアを凌駕するような存在ではありません。
やはり採用活動シーンの各フェーズで、
採用サイト・採用パンフレットなど、他の採用メディアとの使い分けが重要で、
それをきちんと踏まえ設計した採用ピッチ資料であるべきでしょう。
以上が心得るべき5項目の全容で、
その結果、学生の入社願望を高めることにつなげることが最終着地点と言えます。
2. 採用ピッチ資料づくり【構成要素の重点5項目】
ここで採用ピッチ資料に盛り込むテーマやコンテンツを列挙し、
それぞれの掲載ポイントを説明していきます。
取り上げるアジェンダは、概ね5つに区分されます。
- 企業情報・会社概要|学生の企業理解に最も重要。単なる企業概要の羅列ではダメ!
- 市場・業界情報|企業の実態を市場や業界の中で相対的に知る情報
- 人事・福利厚生制度|トレンドな人事制度、企業固有の福利厚生があれば詳説したい
- 給与・待遇|良いも悪いも業界や競合の中で、相対的に見せるのもピッチ資料ならでは
- 採用情報・選考|定型的情報だけでなく、学生がイメージしやすい工夫を
以上の順でテーマ別掲載要点を解説します。
特にこの列挙の中から全て網羅させるというより、自社の状況に応じてピックアップする、
乃至は自社のウリや特徴がきちんと発信できる要件のみピックアップし、
賢い採用ピッチ資料作成にお役立てください。
3. 【構成要素の重点5項目】の項目別一覧
01. 企業情報・会社概要
会社概要 | 会社案内やコーポレートサイトで掲載しているレベル |
事業内容 | 社会で一般的でない、特殊な製品やサービスを取扱う企業は、学生にもよく理解できる、認識違いが起こらない咀嚼を要する |
製品・サービス | ●製造業|主力製品ラインナップ ●IT・システム企業|アプリ、ソフト等の製品のラインナップ |
事業戦略・成長戦略 | 学生へのアンケート調査で、企業を選定する要件として、最重要要件に位置付けられる |
ビジネスモデル | 独自の事業モデル、ビジネスの枠組み |
仕事内容 | ●部門別に仕事内容を紹介、なるべく全部門、主要部門は押さえておきたい
●部門関係社員の声を含めると学生へのアピールとして効果的 |
研究開発テーマ | 社外秘・秘匿性のあるテーマを除き、学生に夢を与える研究・開発テーマを紹介 |
業績・収益性 | ●株式公開企業、決算公開は決算情報を開示 ●売上非公開企業は可能な限りで売上・経常利益を開示 ●決算年度ごとにグラフで推移を表す |
主要取引先 | ●主力取引先の中からピックアップ ●開示できる範囲でどのような取引関係か、プロジェクトか、を簡潔に説明 |
取引事例の紹介 | ●誇れる取引事例 ●ビッグプロジェクトのエピソード ●代表的作品・製作物・建造物紹介 |
創業者紹介 | ●二代目、三代目…企業の場合、創業者を産みのエピソード交え紹介 |
代表者・役員 | 学生へのメッセージを添える |
社史・沿革 | 創業時から時系列で、企業の発展・経過のヒストリーを各時代の社会事象と共に、写真を交え紹介 |
経営理念・企業理念 | 創業者の事業で達成させる理想・想いを、前項の社史との関連で説明するとわかりやすい |
CI(コーポレートアイデンティティ) | 企業ロゴに込められたコンセプトや想いを語る |
企業ブランド | 企業、製品・サービスの社会・市場での競争優位性、独自性に伴う無形資産を説明 |
ミッション・ビジョン | ミッション・ビジョン・バリューを学生向けに咀嚼して紹介 |
クレド | ●ミッション・ビジョンと共に、行動規範・指針を咀嚼して紹介 ●クレド冊子があれば、画像で紹介 |
組織図 | 組織図のみでなく、組織の役割や構成員数 |
拠点ネットワーク | ●国内・国外に分ける ●製造業は研究所・工場 |
社会貢献・SDGs・CSR | ●このテーマも統計的に学生の関心度の高い要件なのでしっかり語りたい ●SDGs、サスティナビリティの企業の取組み ●サスティナビリティレポート、CSRリポート、SDGsガイド等があれば紹介 |
広報・広告戦略 | ●マスメディア広告出稿があれば紹介 ●オウンドメディア紹介 ●会社案内・カタログ紹介 |
プレスリリース | 影響度の高いリリース情報をピックアップ掲載 |
株式概要 | 上場企業の場合、株価、推移 |
特許・資格 | 特に製造業の場合、学生は特許やパテントの保持状況は関心事、可能な限りで開示 ➡️その中で特に社会的影響力があるものを紹介 |
02. 市場・業界情報
業界情報 | 業界の市場規模・時系列掲載、業界構成、社会的有用性 |
競合他社情報 | ●業界における同業・競合他社の紹介 ●自社との比較から各競合社の強み・弱み |
市場占有率 | ●主力製品・サービスの業界シェア ●競合他社との相対比較 |
自社の課題 | 業界・市場における競合他社と相対的に自社の課題に触れる |
市場予測・発展性 | 市場の成長性・発展性を数値規模で表す |
顧客属性 | 自社顧客の傾向、ニーズ |
03. 人事・福利厚生制度
コース別雇用管理制度 | 総合職・一般職の雇用制度をそれぞれ説明 |
人事評価制度 | 人事評価制度の概要を紹介 |
雇用形態の特徴 | ●メンバーシップ雇用形態|年功制度を中心とした自社制度を紹介 ●ジョブ型雇用形態|昨今話題のジョブ型制度を導入している場合、その制度のアウトラインを説明 |
就業形態 | ●通常出社以外リモート就業が導入されている場合、具体的に紹介 ●遠隔地就業制度の紹介 |
転勤・人事異動 | 人事異動に伴う転勤、地域限定勤務の制度説明 |
育児休業制度 | 女性だけでなく男性社員の適用があれば紹介 |
昇進・昇格 | ●昇進・昇格制度のアウトライン ●実際に現状存在する社員をモデルケースにそのステップバイステップを掲載 |
社員年齢構成 | 現状の年齢別社員構成を棒グラフ化して視覚化する |
離職率・定着率 | ●年代別離職率 ●全社員の過去からの定着率 |
定年制・再雇用制度 | 定年年齢、定年後の再雇用について |
労働組合 | 社内の労組がある場合のショップ制説明 |
04. 給与・待遇
給与テーブル | 給与テーブルの部分的紹介やシミュレーション |
昇給実績 | 年度別昇給実績 |
賞与実績 | 昨年賞与支給実績、本年度見込み |
一般手当・特別手当 | ●社内で制度化されている手当一覧 ●他社では見られない自社独特の手当があれば掲載
|
指定休日・休暇 | 採用情報では必須だが、ここではなるべく詳細な休日を紹介
|
モデル年収 | 年代別にモデルケースを提示し、年収をシミュレーション紹介 |
退職金制度 | 総合職・一般職、職位・資格等級による退職金シミュレーション |
福利厚生制度 | ●提案制度、被服補助、自己啓発・資格取得制度 ●研修施設、厚生施設、アウトソーシング福利厚生制度を紹介 |
給与相対比較 | 業界の中の各社比較ができると良い、自社に優位性があれば特に掲載したい |
05. 採用情報・選考
募集要項 |
●職種、業務内容、給与、賞与、諸手当、福利厚生、勤務地、勤務時間、指定休日、契約期間、試用期間、就業場所、週・月・年間総労働時間、等の記載 ●学生は年間休日数を重視することから明確に掲載 ●年末年始・夏期休暇・GW休暇の詳細 |
募集ポジション |
●募集している部署、採用後の配属先 営業、生産、制作、研究、開発、情シス、マーケティング、広報・宣伝、人事採用、総務、物流、経理、法務、等 ●学生に伝わりやすい具体的表現を工夫、例えば営業職でいうと
|
求める人物像 |
●企業トータルとして求める人材像 ●企業風土や経営理念にマッチした素養、人格、能力等 ●部門ポジション毎で異なる人材感 |
選考方法 |
●各種の選考方法を説明
●それぞれの選考方法について、要点や臨む心得をアドバイスする件があれば学生にとって好都合 |
選考フロー | ●広報活動開始からのフローを期日表記する ➡️企業説明会・合同説明会〜ES提出〜書類選考〜筆記試験〜一次面接〜二次面接〜内々定〜内定〜入社 ●インターンシップの場合も同様 |
以上、かなりの特盛りで一覧化しました。
冒頭でも言った通り、この中から自社の良さが活かせるテーマをピックアップし、
ピッチづくりに使ってください。
4. あと書き
採用ピッチ資料づくりの【心得5項目】と【構成要素5項目】、
として比較的簡潔にまとめた記事構成にしました。
特に表組み一覧箇条書き方式をとった当記事、おそらく使い勝手は意外に良いのではと思っています。
これイタダキのピックアップしやすさや、直感的選択が可能なはずです。
多くの人事・採用担当方々の採用ピッチ資料づくりは、自前で行うのではと思いますが、
実はその視覚的イメージ、コピーなどの学生の感性に訴える情報について、
いずれも一般企業の方々では、結構残念な状況になっていることが散見されます。
ここは一度弊社へご相談いただければ、
さまざまな角度からソリューションの方策を示唆させてもらいます。
無料相談室もオンラインで開設していますので、ご利用ください。
また当記事との関連で、
「【採用ピッチ資料】と【採用ツール各種】を賢く使い分けるワザ!」
という採用ピッチ資料の巧みな運用方法に言及していますので、
こちらも合わせて参照ください。
(執筆・編集|メーソン)