営業ツールの作り方
そもそも営業ツールとは?
今回は営業パーソンが使う営業ツールの作り方について、
お話を進めていきたいと思います。
一言に営業ツールといってもその範囲は広く、
何か明確な定義があるわけでもありませんが、
広義では集客や販売促進活動、
広報やマーケティング・宣伝活動などで使用するツールも含まれると考えられます。
さらに機会を加えると、
DM、展示会・見本市、メルマガマーケティングなどもその範疇に入ってくると考えられます。
しかしながら、
弊社は広報制作物、広告宣伝制作物をつくるプロダクションですので、
あくまでもモノづくりに起因するツールに絞り込みます。
ここでは営業パーソンが身近でポータブルに活用するもの、
例えば、
製品パンフレット、総合カタログ、会社案内、リーフレット等の営業ツールと、
それ自体直接の営業ツールとは言えませんが、
そこがハブとなり、
ターゲットユーザーへリーチするWebサイトも広義の営業ツールと言えます。
今回はこれらの中の、
会社案内や企業パンフレットの営業ツール化で語っていきます。
営業ツールは主役ではない?
そもそも会社案内を営業ツールにできるのか?
という疑問を持たれる方もおられると思いますが、
これがなかなかの優れモノになってくれます。
もちろん優れた営業ツールになってくれるよう、
きちんとチューニングをする必要があります。
よくあるウリウリの過剰な表現で、
「営業をしてくれる会社案内」という触れ込みがありますが、
これはどう考えてもいただけません。
あくまでも営業パーソンの支援ツール、お助けツールの域は超えないでしょう。
そんなシロモノがあったらお目にかかりたいくらいです。
そもそもツールというのは、手段であって、それが目的たり得ないからです。
従って手段としていかに目的を果たす後ろ盾になれるか、
ということだと言えます。
あくまでも主役は営業パーソンです。
ではどのように営業パーソンの後ろ盾になるのか、
お助けツールとして効果的に機能させるのか。
弊社で携わった具体的な事例を参照しながら2例ほどご紹介してみたいと思います。
会社案内をオシャレに営業ツール化
まず大阪の人材会社の事例です。
実は弊社では会社案内としてあまりオススメしていないスペックで、
6ページ片観音折りタイプですが、これがなかなかの出来栄えなんです。
ストロングピンク基調のページと白ベースのページでコントラストを効かせ、
そこに乗っかる大きな数字のタイポ(文字デザイン)が、
とてもスタイリッシュ!
さらにセンターにフラップ加工をすることで、
小技の効いた、ギュッと引き締まったレイアウトとデザインがウリです。
何かこう、会社案内というよりはオシャレなパンフレット、と言う感じです。
オッと、デザインやスペックの話ではなかったですね。
でも実はその大きな数字のタイポデザインが、
この会社案内のコアコンピュタンスだったことを目の当たりにします。
新規取引の際に自社の特徴をうまく伝えるツールにしたい、
というお客様のリクエスト。
ヒアリングを重ねていくと、とても特徴的な実績が次々に出るわ出るわ!
ただその様々な数字、これまでは営業の際に口頭では伝えていたとのこと。
しかもユーザーの大半はその実績に感銘を受けているらしい。
そこまでの要件を集約して、弊社のプロデューサーが出した答えが、
「その輝かしい数字を巻頭で大きくフィーチャーしましょう!」
お客様曰く「なるほど!それは助かる。」
「公式な会社案内をもとに、説明すればさらに信頼度は増すし、
何よりもビギナーの営業パーソンでも、いきなりキラートークが実現できる!」
少々盛った言い方かもしれませんが、
要は明快に言うとこういうことなんです。
下の作品画像が物語っています。
営業ツールであっても会社案内というと、
社長ご挨拶、企業理念、事業内容、会社概要、沿革….
などと何かとオフィシャルに裃(かみしも)つけて….となりがちです。
ところがです。
実はこの会社案内には、それらの要素はほとんど入っているんですねェー。
すでにお気づきの方もおられたやに思います。
フラップ箇所に企業理念、
片観音箇所に事業内容、
数字と紐づけて企業の特徴と創業40年の社歴・沿革。
沿革などは人材ビジネス業界で”40年”、という究極のショートカット。
むしろ時系列で履歴を記載するより強いパンチ力です。
ただ代表者のご挨拶は不要!とのご要望でカットしました。
いかがでしょう?
ちょっとだけ工夫して言い回しを変え、
掲載順序を変え、
ウリや特徴をデザイン、コピー、数値表現でクローズアップさせることで、
何と!営業ツールの一丁上がり!
事業拡大を目指す老舗企業の会社案内
次に昭和世代の方々だとモノクロTV-CMでご存知と思います。
化粧品会社の会社案内です。
こちらは前作と異なり非常にオーソドックスな、
A4ワイドポケットフォルダー/12ページ+リーフレット6枚の会社案内です。
創業から化粧品メーカーとして大きく成長を遂げたが、
その後も定着した愛用ファン層を抱え、着実な経営を支えてきた。
この永年蓄積された技術、研究・開発力、安全性の高さを、
各部門横断的に連携し、且つ活かすことのできる生産体制。
これらを糧に、
OEM受託、医科向け製品開発など、
高品質な基礎化粧品を武器に、いわゆるBtoB領域への本格進出を目指し、
営業部隊の強化、各種営業ツールの整備の中で、
会社案内の営業ツール化を目指しました。
紹介している下画像のページ構成をご覧になると一目瞭然、
会社案内の本体では、
マーケティング力、
研究開発力、
生産体制、
品質保証、
の情報をフィーチャリングして取り上げ、
OEMや医科向け開発に必要な4項目のリソースに紙面を大きく割きました。
またこれらの礎となる、
永年の技術の蓄積と安全性の担保を表すヒストリーを図式チャート化し、
記事を読ませるのではなく、視覚で瞬時にオーバービューできるよう、
商談時のユーザビリティを図りました。
これらのことは会社案内のコンテンツがきちんと目的化され、
事業戦略に則り法人営業向けにチューニングされた会社案内と言えます。
まさに営業ツール化された会社案内たる所以でしょう。
総花的会社案内では営業ツール足り得ない
CIツール、ブランディングツールといわれる会社案内は、
多目的用途を目指す場合、
その性質上、企業の総体であるべきでしょうから、
情報を絞り込まずに構成すべきです。
しかしながらこと営業ツール化する会社案内では、
業界・マーケット、競合他社の動向を踏まえ、
自社の強み、差別性、ブランドイメージを活かし、
ターゲットユーザーのニーズやインサイトに切り込む…
といった観点から情報をセグメントします。
さらに一歩踏み込み、
ユーザーの社内決済、稟議にまで着目した言及も、
営業ツールとしてのオフィシャルな会社案内ならではと言えます。