「ポケットフォルダー」とは?「タトウ」とは?

「ポケットフォルダー」と「タトウ」
今回は会社案内やパンフレット、カタログの「ポケットフォルダー」や「タトウ」について、
そのの定義や作り方について語ってみます。
その前に、
そもそも「ポケットフォルダー」って何なんだ?
まして「タトウ」となるや、益々意味不明?
という方々もいらっしゃると思いますので、
その定義についてご説明しておきます。
その前提として、
ポケットフォルダーとタトウは、
同様のものとして扱われることがあれば、
似て非なるものとして扱われることもあります。
以下でそのニュアンスを汲み取っていただければと思います。
ポケットフォルダーの特徴とその作り方
まずポケットフォルダーから。
これは割と最近よく目につくようになりました。
わかりやすく身近な例で言うと、
二つ折りされたA4より少し大きめで、比較的厚手の用紙が使用され、
それを開くと収納可能なフォルダー状のポケット加工がなされたもの。
その加工されたポケットにはパンフレット、リーフレットや小冊子、
また個別に手作りしたA4書類等を挟み込み、
複数のパンフレットや資料を収納し、
それを必要とする顧客やユーザーに、
一括でひとまとめにして手渡すことができます。
まさに、PCで多数の書類を1個のフォルダーに集約管理するそれと、
全く同様の効果を発揮します。
さらに、
普通に8ページ・12ページ・20ページ….と、
中綴じしたページ物の最終ページにポケット加工を施し、
パンフレットや会社案内とポケットフォルダーの一体化による、
言わば大変機能性の高い媒体となります。
因みに、
フォルダーのサイズは、
A4規格サイズより大きめにします。
A4書類がはみ出ないように収納するためです。
ここはとても重要。

タトウの特徴とその作り方
次にタトウです。
タトウ?ますます意味不明!と仰せの方々も多いとお察しします。
その語源から少々ウンチクをひねってみます。
往時の清少納言著の枕草子にまで遡るもので。
「えっ、そんな昔に何の関係?」
原作の一節で出てくる単語の、「畳紙」もしくは「帖紙」がルーツと言われています。
読みは「たたみがみ」、「たとうがみ」、「たとうし」で、
結髪の道具や衣類などを包むための紙であったそうです。
広い厚手の和紙に、開いた状態で物を入れ、
それをきれいに折ってたたみしまっておく、というもの。
それが現代に至って、
フォルダースタイルを「タトウ」と言われるようになった所以です。
厚紙を開閉加工し、そこに書類を収納するスタイルだったり、
ポケットフォルダーと全く同様に扱われることもあったりでしょうか。
と言うと、ポケットフォルダーと違いはないじゃ無い?
と仰せの向きもいらっしゃると思いますが、
全くその通りとも言えますし、
やはりポケットフォルダーとは若干ニュアンスは変えておいた方がよろしいかと。
本文中の説明からもお察しください。
何か日本古来の伝統が、
現代のフォルダーの名称に活かされているなんざァ、
なかなか粋なものですね。

メリット
ではこれらのポケットフォルダー、
乃至はタトウとすることのメリットをご紹介します。
これは大きく2点です。
1点目は前述した、
複数のパンフレットや書類をひとまとめにして、
ポケット部に収納できることです。
こうして顧客やユーザーに渡せば、
相手先も一括管理でき、他とテレコにならずに、
バラけて見失うことも防げます。
さらにダブルポケットにすれば、
左ポケットにオフィシャルな会社案内、製品パンフレットを挿入し、
右ポケットには個別の提案書や見積書を挿入しておく、
といった具合に左右でその役割を変えておくのも、
上手な使い方でしょう。
これにより、
一体化された厚みや、
大きめに作られたサイズが存在感を示します。
また表紙には高品質なデザインを施し、社名、ロゴを配置しておけば、
それだけで強いオフィシャル感を醸します。
大きなメリットですね。

2点目は、
本体が複数ページある会社案内やパンフレットの最終ページに、
ポケット加工を施すタイプです。
このケースでは、普遍情報と変動情報を仕分けし、
普遍情報は冊子本体でページ構成し、
変動情報をリーフレット化します。
実はこれでメリットが最大化します。
どのようなメリットか?
コストメリットです。
例えばポケットフォルダー加工をした会社案内の場合です。
事業を巡るビジネスモデルや企業理念・ブランディング、
またプロダクトやサービスに関する、
言わば企業の根源的情報、
また当面変わることのない情報は、
会社案内やパンフレット本体に掲載します。
一方、
会社情報、沿革、組織図、主要取引先等、
比較的短期で変動する可能性のある情報は、
本体掲載から外し、
A4サイズ1枚もののリーフレットに移設・集約します。
しかも1項目1枚、両面でも可。
こうすれば、
「役員が変わった」、と言えば会社情報1枚のみの差し替え、
「組織改編があった」、と言えば組織図リーフレット1枚差し替え…..
といった塩梅です。
都度本丸の解体工事は不要なんです。
いかがでしょう?
全ての情報を本体に含めると、
わずか1箇所であっても、情報変更がある度に、
会社案内本丸全てを解体し、全体の建替え工事(差し替え印刷)をしなければならない。
これではコストはエクスペンシブでしょう。
その意味からも、
ポケットフォルダーの本体とリーフレットの組合せが、
コストダウンに直結するのは、
自明の理ですよね。
ただし、
そのメリットは中長期的にです。
なぜならば、本体にはポケット加工が発生しますので、
この分はイニシャルコストのアップに作用します。
つまり作る最初に少々コスト高になっても、
中長期的に低コスト運用のできる、また無駄も排除できる、
「本体+ポケットフォルダー+リーフレット」であろうと。
今回はここまでです。
次回はポケットフォルダー・タトウの作成事例集を一挙掲載します。
ウチの制作した作品で。
次回は見応えありますよ。